愛し君











三成の白い肌に手を掛け、首筋をするりと撫でてやれば、
僅かに息を止め、体を強張らせながらも潤んだ瞳で見つめてくる

引き寄せられるようにその首に赤い花を咲かせた

一つ、二つ、と増えていくその印を見ていると、
初めて新雪に足跡を残した時の高揚感と征服感、
そしてかすかな罪悪感を思い出す

美しいものをこの手で汚していく感覚

背徳と恍惚の身震い

「んっ、家康…」

白磁の肌に吸い付くたびにびくりと身を震わせ、
甘い声を上げながら弱くしがみ付くのは無意識か

淫乱、と思いながらも興奮が高まっていく

「三成はいやらしいな」

名残惜しくもその肌から唇を離し、潤んだ目を見つめながら笑ってやる

悔しそうに視線を逸らす三成はこの上なく愛らしい
羞恥と興奮で赤く染まった頬に手を触れれば、期待を孕んだ瞳がこちらを見つめる

いつもよりも高い体温に、少し乱れた息遣い

薄く開けられた唇に自分の唇を押し当ててやれば、自ら舌を絡め、
迷い無く口内を這い回り、余すところなど無いように
歯をなぞり、上あごを舐め上げ、舌を強く吸う

初めは戸惑ってばかりだった三成が、自らこんなにも求めてくる

ここまで育て上げたような感動と嬉しさを感じたが、
何も分からず戸惑う顔はもう見ることが出来ないのかと思うと、
ほんの少しの寂しさを覚えた

「んん、はっ…」

互いの唇を繋ぐ銀の糸を残し、三成の唇が離れていく

「いえやす…」

「三成…」

夜着の袖口を掴む三成の手を握り、優しく抱き寄せてやれば、
甘えるように頭を肩口に摺り寄せてくる

まるで仔猫のような仕草に微笑ましいと思いながら、
薄い唇に吸い付き、ゆっくりと体を倒してやる

「好きだ、三成」

「ぅあっ……」

肌蹴た胸元に顔を寄せ、芳しい肌を舐め上げれば、
体を震わせ鼻にかかった声を漏らす

そのまま乳首を甘噛みし、空いた手を三成の下肢へやれば、
初めから下帯を外していたようで、立ち上がった雄に直ぐに触れた

「んっ、家康っ…!」

先走りを全体にすり込むように触ってやれば、更に先走りを零し
涙混じりに見上げ熱い息を吐いた

「いえ、やすっ!あぁっ!」

「初めから下帯まで外して、三成は本当にいやらしいなぁ」

「んんっ、貴様が、ぁっ!…外せとっ、」

「確かにワシが言ったが、まさか本当に外して来てくれるとは思わなかったよ
三成もどこかで期待していたんじゃないか?」

「…っ!ふっ、んっ!」

意地悪く笑ってやれば、唇を噛み締め必死に声を押し殺そうとする

非難するような顔で睨みつけたところで、
紅潮した頬や潤んだ瞳では何の迫力も無く、むしろ愛らしく見えるだけなのだが
止められては勿体無いので教えてはやらない

「はは、すまない、そう怒らないでくれよ
ワシの願いを聞いてくれてすごく嬉しかった
ありがとう、三成」

細い体は、思うままに抱きしめたら折れてしまいそうで
どうしても無意識に躊躇ってしまう
三成はいつもそれを不服そうな顔で睨んでくるが、
謝罪の言葉と口付け一つで機嫌を直してくれるのだから可愛いものだ

「…っ、もう、二度と貴様の願いなど聞いてやるものか」

不機嫌そうな顔をしながらも嬉しそうに口角が上がっているのだから、
何の説得力も無いが、三成の機嫌が直ったのでよしとする

「お詫びに三成の願いを聞こう
…どうして欲しい?」

そう言って見つめてやれば恥ずかしそうに顔をそむけ、

「…家康の、好きにしろ」

と、小さな声でつぶやいた

そんなことを言われたら、我慢なんて出来ないじゃないかと思いながら、
三成の赤く染まった耳に噛り付いた







←リクエスト
←めいん
←top