嘘つきメランコリー
3
三成の細い指が触れる度、
僅かに雄が震え、もっと強い快感を求める
「…っ、」
われが微かな息を吐く度に、三成は嬉しそうに目を細める
「…刑部」
更に体を密着され、三成の雄が触れた
硬く天を仰ぎ、熱く滾った温度が布越しから伝わってくる
「…は、ぁ」
握られた指先を握り返し、三成の肩口に顔を埋めた
視覚が閉ざされたことで、
三成の香りと体温が、より一層強く、先程よりも近く感じられる
「…可愛い、刑部」
恍惚に酔ったように甘く、
耳元で響く三成のささやきに肩を震わせた
「…っ、三成」
良いように煽られ、堪え切れずに畳の上に三成を組み敷いた
「刑、部っ」
驚きながらも嬉しそうに頬を弛め、
われの背にしっかりと回される手のひら
噛み付くような強引な口付けに、
涙を滲ませ、息を切らしながらも舌を絡めてくる
「ふっ、んんっ」
口の端からは唾液が零れ、
物欲しそうな顔で見上げてくる様はこの上なく扇情的だ
三成の香りが、熱が、鼓動が、近い
声が、視線が、指先が、絡み付く
視界が赤く染まっていく
自分の鼓動ばかりが大きく聞こえ、三成の声を掻き消していく
何も考えられず、ただ目の前の三成を貪った
舌を這わせ、悪戯のように噛み付いた
汗ばみ、紅潮し始めた肌を舐め回す
汗の香りと三成の香りが交じり合う
首筋を、胸を、腹を、腿を、膝を、足の指を、
触る度、舌を這わせる度、身悶え体を跳ねさせる
「…刑部、あぁ、好きだ」
三成の声が聞こえた
涙を滲ませた瞳
桜色に染まる頬
嬉しそうに上がった口角
乱暴に肌蹴た着流し
紅い所有痕が乱れ咲いた雪肌
あらわになった三成の雄
欲望を吐き出そうと、三成を組み敷いている己
「っ!」
己の仕出かそうとした事に思わず飛び退く
「刑部…?」
不思議そうに手を伸ばしてくる三成から目を逸らす
背にじっとりと冷や汗をかいている
「すまぬっ…」
かさついた喉からやっとそれだけを搾り出し、
震える足で三成の部屋から飛び出した
背後から呼ぶ三成の声が聞こえたが、
振り返ることも出来ず、われは逃げるしか出来なかった
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