落ちて溺れて魅せられて
5
「官兵衛、どうした?」
膝に跨り、小生の髪をいじりながら三成に問い掛けられた
手に触れるなめらかな肌にそっと口付けを落とす
「いや、何でもないさ」
「…っ、くすぐったい」
「ふっ、そうかい」
「…んっ」
鎖骨に舌を這わせ、そのまま首筋から耳まで舐め上げる
甘い声を上げる三成の耳たぶを優しく噛み、そっと息を吹きかけた
「お前さんは淫乱だなぁ、三成」
「……私は淫乱では無い」
「よく言うなぁ、散々あられもなく乱れてくれたじゃないか」
「っあ!……んっ!官兵衛だけ、だっ!」
耳を愛撫しながら立ち上がる乳首を弄ってやれば、
敏感になっているせいか腰の砕けた甲高い声を上げる
「…三成、信じていいのか?」
「ふぁっ、あッ!」
「本当に、小生にだけ……」
「当たり前だ、こんなことっ!ん、誰にでもっ、許すか!」
「っ、三成!」
「ひぁっ!?…かん、べ?」
不自由な腕でぎこちなく三成を抱き締める
急なことで驚いたのか、
身を竦め腕の中で固まる三成を強く強く抱き締める
小生だけに、という言葉に涙が出そうになった
「…苦しい」
「す、すまん」
「いい、止めるな」
「……ああ」
小生の背に腕を回す三成を思うままにぎゅうぎゅうと抱き締める
楽しそうに笑う三成に愛しさが募った
嬉しくて、上手く息が出来ないくらいに胸が苦しかった
夢ならこのまま覚めないで欲しいと願うくらいに
「三成…」
「何だ?」
「…頼む、今日だけ、今日だけでいいんだ
……朝まで、小生と一緒に居てくれんか?」
「………今日だけだぞ」
呆れたように言った三成が、あんまり嬉しそうに笑うから、
何だかもうこのまま死んじまってもいいような気がした
夢じゃないと確かめるように、
強く強く三成を抱き締めてその美しい銀髪に口付けた
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