落ちて溺れて魅せられて 2











三成の冷たい手を握り締めた
困ったように、恥ずかしそうに眼を逸らされた

もう、止まりようが無かった

三成が、良いと言う訳がないと思っていた
潔癖で、清廉で、無垢な三成が、
こんな暴挙を許す筈が無いと思っていた

あまりの白さに息を飲んだ
その冷たさに背徳を感じた
金緑色の瞳に心の臓を射抜かれた

小生に、拒否権など無いのだと思った

こんなに白い肌を小生は知らない
戸惑いがちに揺れる宝石のような瞳も、
儚く佇む三成も、小生は知らない

冗談だ、ばーか!と笑うつもりだったのに

「…っ、本当に、いいのか?三成」

「…ああ」

ゴクリと生唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえた
ドクドクと脈打つ心臓が、
大きいばかりのこの体が、
熱を持ち、三成が欲しい、と手を伸ばす

小生は、自分の欲望に負けてしまった



「っ、かん、べ…」

「ああ…何だ…?」

傷一つ無い美しい肢体
染め上げられる赤い頬
汗も、零れる涙さえも、芳しい

抗いなど許されず、
溺れることだけを許される

魔性とはこのことかと思い知った

「三成…三成っ…」

惜しげも無く晒される白磁の肌に唇を寄せる

枷の嵌ったこの両腕じゃあ、
抱きしめるのも一苦労だと思いながら目の前の三成を貪る

全身を撫でながら胸の飾りを口に含む
舌で舐め上げ、僅かに噛んでやれば、
今まで聞いたことも無いような甘い声を上げる

その声や、乱れた表情を見ているだけで達してしまいそうになる

「はあっ、んぅ!」

「…三成、入れていいか?」

「んっ、ああ…、早く、こい…」

誘う手に抱き寄せられ、三成の首筋に顔を埋める

甘く、清潔な香り
三成の香り

「…くっ、きついな」

「あっ、ああっ!」

ズプズプと、艶めかしく蠢き、
小生の雄を飲み込んでいくキツイ穴

苦しそうに眉を寄せ、嬌声を上げながら見上げてくる瞳

「ふっ、あんっ!
かんべぇ、おっきい……」

「っ、そりゃあこの上ない、褒め言葉だっ…」

しがみ付いてくる三成の唇に、
優しく優しく口付けを落とす

餌を貰うひな鳥のように、
何度も催促をする三成を愛しく思った

「ぅんっ、あああっ、んああっ!」

「っ、小生…、もう、限界だぞ…」

「あっ、かんべっ、かんべぇ!」

「っ、出るっ!」

「んっ、出せっ!
中に、いっぱいっ…!」

「っ、…ッ!」

「ふあっ、あああああぁぁあんっ!」



「…あー、その、三成」

「…また来る」

「えっ、いいのか!?
いや、そうじゃなくてだな!」

「じゃあな」

「おいっ!ちょ、待て待て!
三成!?おい、三成ーっ!?」

薄く笑い、振り向きもせず去っていく背中
その背中に、寂しいと感じたのは幻想だと首を振った

「くそっ…三成め、何がしたいんだよ」






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