落ちて溺れて魅せられて
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「何だ、何だっ!?
しょ、小生が何をしたっ!?
……なぜじゃああああぁぁぁぁぁ!!」
「ヒヒッ、ほんに騒がしいわ」
「……ふん」
気が付けば、大阪城の地下に押し込められていた
いつ作ったのか知りもしない広い空間
一人きりで目覚め、絶望のままに叫んだ
「……っ、なぜじゃあああああああああああ!!」
誰が訪ねて来る事も無く、
ただただ一人きりで、話す相手も居ない
することも無く、毎日時間が過ぎることを願うばかりだ
「はァ…、
美人で気立てのいい女でも落ちてくりゃあいいんだがね…
ついでに色っぽけりゃあ、何も言うことは無いな
そうだな、上杉の忍みたいな、
露出の高いのを着ててくれたら最高だな、むふふふ…」
「…官兵衛、何をしている?」
「うげっ、三成?
な、ななな、何しに来たんだよ!」
「…飯だ」
「握り飯一つで足りるか!
……はぁ、飯が食えるだけでもよしとするか」
小生がもそもそと飯を食うのを、
壁にもたれ掛かったまま三成が眺めてくる
あんまりじっと見られてるとなぁ、食いにくいんだよ!
「…おい、まだ小生に用があるのか?」
「…いや、なぜ貴様は生きているのかと考えていた」
「……はあ?」
何なんだ!?
小生に遠回しに死ねと言っているつもりなのか!?
「いやいや、何を言ってるんだお前さんは!?」
「…貴様は欲深い」
「は?
いや、まぁ、そうだが…」
「何も無いここで、貴様は満足なのか?」
「…満足なんかする訳無いだろうが!
淫乱で妖艶な美女でも連れて来てくれたら話は別だがなぁ!」
「…貴様に部外者と接触させることは禁じている」
「あーあー、分かってるよそんな事は…
ああ、何なら、お前さんを抱くのでもいいぞ?
それなら、小生はここで大人しくしていてやろう!」
三成の反応を窺いながらそう言ってやれば、
眉をしかめ、何を言っているとでも言いたげな顔をする
ざまあみろ!こんな無理難題、お前さんでも叶えられないだろ!
内心高笑いをしながら、三成の言葉を待つ
三成をおちょくるのが楽しくて仕方なかった
「……貴様は、私が抱きたいのか?」
「ああ抱きたいね!
お前さんが、小生の下で乱れるのが見てみたいさ!」
そう意地悪く笑ってやれば、
ゆっくりとこちらに歩みを進める三成に肩を竦める
何だ!斬首でもされるのか!?と身構えていれば、
三成の白い手が小生の手をそっと包み込んだ
「………いいだろう
貴様の好きにしていい
ただ、他言は無用だ、いいな?」
頭が真っ白になった
呆然と、小生を見詰める三成を見返すことしか出来なかった
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