Happy   Birthday   side/政宗











「よお、竜の兄さん久しぶりじゃねぇか」

「Ha!石田と揃って何してんだ?」

「………貴様は誰だ?」

「Shit!いい加減覚えろッ!」

いぶかしむような目をする石田に怒鳴りつけるが、
更に不信感をあらわにされ、もういいと諦め混じりでため息を吐いた

「竜の兄さんは一人なのかぃ?」

「いや、これから小十郎と待ち合わせだ」

「……貴様のような輩が片倉と知り合いなのか」

「何ッで小十郎は分かんのに俺は分かんねぇんだよッ!アンタもう黙ってろッ!」

俺の言葉に不服そうにしながらも口を閉じた石田と、
それを見てクツクツと笑う長曽我部に舌打ちでもしてやりたくなった

「……で、アンタ等はDetaか?」

「おう、三成が行ったことねぇっつうから遊園地でも行こうと思ってな」

ニヤニヤしながら投げかけた質問に、
顔色一つ変えずに頷く長曽我部に思わず面食らってしまう

目だけで石田を見ればどこ吹く風といった様子で、
俺の話を聞いちゃいないことがありありと見て取れた

「なぁ、アンタ等付き合ってんのか?」

「…………」

長曽我部に顔を近付け、声を落として訪ねればニヤリと笑みを返された

「ま、まだ落としてる途中だな」

「長曽我部、何か落としたのか?」

「アンタガチで俺の話だけ聞いてねぇんだな……逆にスゲェわ……」

俺の話を聞かない石田にげんなりしながらも、
目の前でほのぼのした空気をかもし出す二人に今度こそ舌打ちをした

「〜〜〜〜〜ッ、俺の前でイチャイチャすんじゃねえええええっ!」

「おいおい竜の兄さんハジけすぎだろぉ」

「……煩いぞ、青いの」

「うっせぇ!他所でやれっ!」

「ははっ、じゃあな」

追い払うように手を振り、笑い合いながら去っていく二人を見送る
友人というには近すぎる距離で、恋人というにはまだ遠い距離

「……石田も大変だな」

笑いながら、長曽我部の目に浮かんだ色は恋情だなんて可愛らしいもんじゃなかった

ため息を一つ吐き出して、早く小十郎に会いたいと思った






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