「〜〜ッ、ぅあああっ!」
隣の部屋から聞こえた三成の叫び声に立ち上がる
三成がもう寝ると言って部屋に入ったのは数時間前だ
今日もまたこれから眠れない長い夜を過ごすのだろう
部屋の隅でうずくまり、頭から布団をかぶって震えるのだろう
「……三成、入っていいか?」
扉の前で声をかけるが返事は返ってこない
荒い息遣いと衣擦れの音が聞こえる
きっと扉の外の俺に怯えているであろうことは容易に想像がついた
「悪ぃな、勝手に入るぜ」
一度だけ目を閉じ、三成の部屋への扉を開けた
壁を手探り電気を点ければ、
俺の姿にビクリと身を竦ませ、恐怖の浮かんだ瞳で三成がこちらを見上げる
もう何度目かも分からないその姿に眉をしかめた
「……長、曽我部」
「水でも持ってくるか?」
俺の言葉にふるふると頭を横に振り、力無くうなだれる
暖房もつけていない真冬の部屋の中だというのに、
真っ青な顔をした三成の額には汗が浮いていた
うずくまる三成の隣に腰を下ろせばスプリングがギシリと音を立てた
「……すまない、起こしたか?」
「まだ起きてたから気にすんな」
「…………すまない」
深いため息を吐き、三成が額の汗を拭う
その腕を掴み強引に三成を抱き締めた
「ッ!なにっ……」
「荒療治だが、仕方ねぇか」
「長曽我部ッ……?」
硬く強張った体で俺の手から必死で逃れようとする
それを制し、無理やり三成の薄い唇にキスをした
「〜〜ッ!」
大きく見開かれた瞳
ばたばたと抵抗をする三成を押さえつけ、
三成の息が持たなくなるまでキスをし続けた
腕を離してやれば突き飛ばされ距離をおかれた
「…なに………何でッ」
泣き出しそうに顔を歪め、意味が分からないといったような顔で呆然と見詰められる
その瞳を真っ直ぐに見詰め返し、三成に向かって手を差し出す
「荒療治っつったろ?
放っといても、環境変えても、悪くなってく一方じゃねぇか」
三成の怯えと怒りを滲ませた瞳が揺れる
「悪ぃけど、やめねぇぞ」
取られることのなかった手をさらに伸ばし、
肩を震わせた三成の頬を出来るだけ優しく包み込んだ
「三成、俺だけ見てろ」
涙で潤んだ三成の瞳を見詰め、
ゆっくりと近付きまた唇を重ねる
ぎゅっと目を閉じ、震える三成の髪を撫でる
出来るだけ恐怖を取り去るように優しく
これ以上壊すことの無いように慎重に
「目、開けとけ」
俺の言葉に、躊躇いながらも三成が瞳を開く
涙がキラキラと光を返し、金緑色が輝いている
こんなことをしながら、その目をとても綺麗だと思っていた
髪に、頬に、鼻先に、触れるだけのキスを落とす
Tシャツの裾から手を入れ三成の肌を触っていく
筋肉と骨の感触
だというのに、その肌は同じ男とは思えないほどに真っ白だ
「……ッ、………ぅ」
キスをする度、肌に触れる度、三成が小さく息を詰める
三成の視線が泳ぐ度にキスをして、嫌でも俺を見させる
三成の目尻から涙が伝う
その涙を舐め取り、そっと瞼にキスをする
「………っ」
腹をなぞった手をそのままジャージの中へと挿しいれる
ビクリと体を強張らせた三成に、何度も触れるだけのキスをした
下着の上から萎えた三成自身を擦り、反射で立ち上がるのを待つ
同じ男同士だからこそ、どうしようもないことも、良い所も分かるというもんだ
「…ち、長曽我部っ、もう止めろッ」
「駄目だ」
震える声で制止する三成にニヤリと笑ってやる
青ざめた顔で唇を噛み締める三成はいつもよりも幼く見えた
「……ッ!」
少しずつ立ち上がってきた三成自身を、
下着の中に手を入れ痛くないようにゆるゆると扱く
「…っ、………ふッ」
眉を下げ、羞恥からか赤くなった頬
涙混じりに、気まずそうにこちらを見上げる三成にまたキスをした
「ぅ、あッ……」
溢れてきた先走りを手にひらに馴染ませ、
先程よりも強めに扱いてやれば、三成自身は完全に立ち上がった
ぎゅうと腕にしがみ付いてくる三成の頭に自分の頭を付ける
「…っ、……ぁうッ!」
「三成」
快感からかビクビクと体を震わせる三成を呼べば、不安げな瞳が俺を映す
その唇に舌を挿し入れ、今までとは違う深いキスをした
舌を絡め取り、上あごを舐め、歯列をなぞる
休まることの無い手と舌の動きに、
三成はその度に体を震わせながら鼻から浅い息を吐き出す
「…っは、ぁ、出るッ!」
そう言ったかと思うと、一層強くしがみ付いてきた三成を抱き締める
ビクビクと脈打つ三成自身と、
手のひらに吐き出される熱い性を感じていた
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