二人ぼっち
45
三成の肌はいつまでも瑞々しい
若く見えるお愛でさえも最近は目尻に皺が出来たというのに、
十も年上の三成はお愛より年下にさえ見える
「…お前は、いつまでも変わらないなぁ」
腕の中で寝息を立てる三成を起こさないように抱き締める
艶やかな銀糸の髪も、透けるような肌も、
本当に何一つ変わらないように見える
きっと、三成の時間は止まっているんだと思う
あの日の関ヶ原で
ワシの拳によって
あれからもう二十年だ
二十年、側に居続けた
確かに同じ時間を過ごしているはずなのに、年老いていくのはワシばかりだ
いつまでも若く美しい三成
「…すまない」
ワシは、こんな歳になってもお前に憧れている
羨ましいと、思っている
何も変わらないお前を、憎いと思った瞬間もある
ワシが手を離せば違う生き方もあったのだろう
それでも、この手を離すことは出来ない
好きで好きで好きで、やっと手に入れたんだ
また、お前を手放すなんて、出来やしないさ
「愛している、三成」
壊さないように、離れないように、手に力を込める
三成の髪に顔を埋めてそっと目を閉じた
←/44
/46→
←三成部屋
←BL
←ばさら
←めいん
←top