二人ぼっち
39
三成が笑う
ワシの醜い嫉妬を、浅ましい感情を、笑う
ワシの憎悪を、嫌悪を受け止めて、嬉しそうに笑う
「………家康」
伸ばされた腕に引き寄せられ、そのまま口付け、耳たぶを舐める
首筋を、鎖骨を、喉仏を、胸板を、乳首を、舐め、吸い、噛む
肩を、腕を、腹を、腰を、足の付け根を、なぞる
「ッ…ん……」
その度に赤く色付いていく肌
切なく歪み潤む瞳
口から零れる控えめな吐息
誘う指先、体、視線
「ふぁっ!あああっ!」
熱く蠢く体内
きつく締め付ける穴
三成の体温に身を沈める
「あっ、アァッ!」
律動を繰り返すたびにきゅうきゅうと締まり、快感を高ぶらせる
嬌声が、乱れる姿が、浅ましく興奮を煽る
「ん、ぁっ!…家康、家康っ!」
零れそうな涙が、鼻から抜ける甘い嬌声が、
どれほどワシを煽っているのか分かっているんだろうか?
「ふっ!あっ!……もっ、無理、だっ」
「……好きに、イけばいいさっ」
「ぅ、あっ!アッ、あ、ああああぁぁああんっ!!」
「……っ!」
ビュルビュルと腹にかかった三成の性はひどく熱かった
ワシの吐き出した性も、三成の中で熱く蠢いているんだろうか?
伸ばさせた髪も、豪奢な着物も、繊細なかんざしも、この地位も
何一つ三成を縛り付けてはくれない
ほんのわずかに自由を奪うだけに過ぎない
それでも三成がそれに甘んじているのはワシの為に
ワシがいるから逃げ出さない
逃げ出せない
ワシを愛し、ワシの為にと行動する
ああ、何だ、それだけのことだったのか
ワシは、三成からただ愛されたかっただけだったのか
揺ぎ無い、変わらない愛を、欲していただけだったのか
こんなにも日々貰っているというのに、今更それに気付くなんて
なんて愚かしいんだろう
なんて馬鹿なんだろう
それでも、誰かがお前に触れようとするだけで、
やはりこの心は嫉妬にまみれてしまうんだろう
自制など効かず、ひどく当たってしまうこともあるんだろう
それでも、いつまでも今のように、愛してくれるか?
「……愛している、三成」
ワシも、お前に変わらぬ愛を誓うよ
だから、ずっとずっとワシだけを愛していてくれよ
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