「この道はいつか来た道」
キューピー人形に象徴されるこの道とは産道のことですが、これを使って意識融合を試みたことがあります。
道は凡そ7㎝×9㎝の宙に浮いた細長い麻布で表されています。栃木美保さんが「スサノヲの到来、いのち、いかり、いのり」展で発表した胞衣の雰囲気を漂わせた作品のパーツとほぼ同じものです。栃木美保さんに制作して戴きました。
二枚の麻布からなり、それぞれ赤と白のセンターラインが施されています。赤いラインを上にして重ね合わせた麻布は、10㎝間隔の横断縫いによって留まっていますから、薄いものであれば二枚の布の間に挟み込むことができます。
参加を希望した観覧者が、直径3.8㎝の円に近い正16角形の紙に一音を書き込み、このスポットの好きなところに挟み込んでいきます。
すると音の連なりが響き合い連帯として働き始めます。
こうして意識融合されてゆく響きの道の上をキューピー人形が歩いていきます。
一列に12体のキューピー人形が、まるで行進しているかのように適当な間隔で列んでいます。
キューピー人形の体内には水のはいった小瓶が一本ずつ入れてありますが、これは三床山で光や響きを象徴的な氷として物質化し、溶けだした水を音に変換したものです。手前から順に「わそよみひ」「ちあかみひほみ」「さかひおりあわ」「うずはわか」「んくあわよに」「たまちとぐ」「かうるなみぎ」「うずいかあわた」「あもみことやは」「かみふねたみか」「かさつかるたね」「さかじにじづき」です。
この「ことのは」はお日様を呑むこと「ひのみ」によって授かった光の名前です。
これらの働きが良きものとして、健やかに輝き鳴り響きますように願い、キューピー人形の頭の中には鈴がいれてあります。
「ことのは」の命は神代から果てしなく連なる祈りの道を、永久のまなざしを胸に歩み続けています。
輪廻するたびに「この道はいつか来た道」と想い出せるように、みんなで歌ったこの詩を、あなたにも聞かせたい。
ういきふ
り うぷ な みむ ハぎぃ みみ ぱ ら
ぽ す も
かよ ふ うぱ
『記録魔 関根正幸のお蔵出し』
「この道はいつか来た道」
コラボレーション
参加して下さった皆さま×栃木美保さん×タカユキオバナ
2014年7月~8月 アートスタジオ
Dungeon