とても危険な安易な日除け

2013年4月10日

ある店から出たときのことです。店の前にバックで止めてある車のブレーキランプが光りました。それだけならごく普通のことですが、運転手がいません。おじさんの前に年配の女性が店から出て行ったので、その人が乗り込んだのだと思ったのにです。

運転席の真横に立って見ても運転手は見えません。それなのに発進しそうな気配を感じます。それでよく見てみると運転席側の窓にタオルが掛けられているのです。窓ガラス前方の斜めになり始めた部分までは完全にタオルで覆われていて、ボンネット付近まで歩いたところでやっと、運転席に座っている先ほどの女性の顔が見えました。

おじさんは左方向に行くので、その車の前を横切ることになります。慎重に、運転手と目を合わせてから横切りました。

その女性はいつもタオルを掛けた状態で運転しているのでしょうか。駐車中は日除けのためにかけていても、運転するときは外すということは考えられます。でも、その時はそのまま運転する様子でした。交差点では前屈みになって、タオルの前から右を見るのでしょうね。でも右後方の確認はどうするのでしょうか。

どれくらいの割合かは知りませんが、ドアミラーに死角があることを知らない人がいます。友人を停車している車の運転席に座らせて、おじさんがその右後方から歩いて見せたことがあります。ドアミラーを見ていた友人は、実際に映らなくなる部分があることを知って驚いていました。

先ほどの女性は、この死角のことを知っているのでしょうか。発進時や交差点での一時停止後には前屈みになって右方向を確認したとしても、姿勢を戻して発進するまでに状況が変わることがあるかもしれません。それよりも交差点での右折時に、横断中の歩行者や自転車がきちんと確認できるのかが心配です。

この女性ほどひどくなくても、日除けのためにドアの窓ガラスを覆っている車を見かけることがあります。そのような状態で運転している人のせいで、事故に巻き込まれる可能性は誰にでもあるのです。

このような運転をなくすための啓発活動も必要ですが、それだけでは効果が上がらないでしょう。この問題は通行中の車を見ただけですぐ分かることなので、パトロール中に見かけたら停止をさせて指導をするくらいなら、今すぐにでもできると思います。それでも効果が上がらなければ罰則を設けることも必要でしょう。

飲酒運転やスピード違反などと比べると、取るに足らないことと思われるかもしれませんが、安全運転の意識を高めるためには、このような取り組みも大事だと思います。

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