どぶろく7銘柄の飲み比べ

2007年11月20日

前回は高知県の東、室戸岬へクジラ料理を食べに行ったことを書きましたが、今回は高知県の西、三原村に行ってきた話です。三原村は四万十市(旧中村市)から宿毛市に向かう途中で左(海側)に折れて行きます。初めて行ったのですが、国道からそれてもほとんど2車線で走りやすい道でした。

今回の目的はどぶろく祭りです。三原村はどぶろく特区で、6軒がどぶろくを造っています。お城祭りなど高知市内でのイベントで販売することが時々あるので、何回か買って飲んだことがあります。でも全銘柄を一度に飲み比べる機会がないので、2年ほど前からずっと行きたいと思ったいたのです。

朝8時に出発、途中少し休憩して11時頃会場に着きました。出店も沢山あり、かなりの賑わいです。おじさん達はプロの出店には魅力を感じませんので、地元の人達が出しているテントの店を見ながら奥に進みました。途中にツガニ汁を出している店があったので、これもいいなと思ったのですが、大鍋がグツグツと煮えているのです。これだとすぐに煮詰まって辛くなるだろうな、それよりも風味が飛んでしまうだろうと思ってすぐに候補から外れてしまいました。

そのまま奥まで進むとお目当てのどぶろくのコーナーです。行列があるので何かなと思ったら、どぶろく饅頭の販売だったようです。その隣がどぶろくの販売です。高知市でのイベントでは1500円で売られていましたが、この日は1000円でした。

そのテントの向かい側が一番のお目当て試飲のコーナーです。どぶろくの入った試飲用の小さな紙コップがいくつも並んでいます。

「どれがどの銘柄ですか」と聞くと、「全部一緒です」と言うのです。たった1種類しか用意していないのだろうか、販売のコーナーには最近始めたところも含めて7種類あったのにおかしいなと思い、「これはどこの銘柄ですか」と聞くと、「全部です」というのです。

テントの奥を見て納得しました。そこに置かれている四斗樽に、全ての銘柄を入れて混ぜ合わせているのです。全種類を飲み比べて自分の好みの銘柄を探そうという思いは一気に崩されたのです。

あきらめてビールで一杯飲ることにしました。どぶろくのコーナーの横の方で4、50人ほどの人が焼肉をしているのです。U字溝というのでしょうか、U字型のコンクリートを10mほどにつなげて、そこで焼いているのです。早速焼肉セットを買いに行くと、肉は豚肉だけでしたが、野菜も入って何とたったの500円なのです。もちろんタレもついています。

一番端が空いていたのでそこで焼き始めました。最初は炭を足してくれたばかりだったので少し勢いが弱かったのですが、2杯目ビールを買ってきた頃には丁度いい火加減になってきました。あまり期待せずに食べたのですが、豚肉がとてもおいしいのです。おじさんもおばさんも脂身は得意ではないのですが、ここの脂身は油っぽくなくてとてもいい旨みが出ていました。

途中で隣にお年寄りが一人で座り、ワンカップを飲みながら肉を焼き始めました。聞くと地元の方で、前日には肉を切る係をしたとのことでした。そこでどぶろくの話をすると、「全部を混ぜるのではなく、飲み比べができるようにしなければいけないと言うのに、売れるところと売れないところが出てはいけないからと聞いてくれない」と言っていました。

小さな地域ゆえの事情だとは思いますが、互いに競争してこそより良いものができるのではないでしょうか。みんなで仲よくでは、そのうちに三原村のどぶろく自体の評価が下がっていくかもしれません。三原村からさほど遠くない、宇和島市でもどぶろく造りが始まっているそうですから。

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