布巾はおしぼり

2007年10月30日

「味覚の秋は、室戸路でクジラ料理を楽しんで――。高知県室戸市の室戸調理師会は、クジラを堪能してもらおうと10月限定で『勇魚(いさな)づくし』を市内のホテルや料飲店17店舗で一斉に販売する。」(朝日新聞 2007年09月28日)という記事を読んで、鯨料理を食べに行ってきました。

どこの店がいいのか分からなかったので、一番無難かなと思いホテルを選択しました。12時に予約したのですが、11時30分過ぎに着いてしまいました。お腹もすいていたのでホテルの駐車場に車を止めると女性の従業員が出迎えてくれました。予約していることを告げると名前も分かっていてすぐに部屋に案内してくれました。

2組分の席が用意された20畳ほどの部屋は、広すぎると思いましたが、太平洋が一望できるとても眺めのいい席です。それは良かったのですが、テーブルの上には揚げもの以外の料理が並べられているのです。20分は早く着いているのにです。

刺身は角が取れていますし、ツマは肉汁で赤くなっています。せっかく2時間以上もかけて食べに行ったのですから、少々待つことは問題ありません。切ったばかりの刺身を出して欲しかったと、残念に思いました。

でも、鯨の竜田揚げはとても美味しかったですし、その他の料理も味は楽しめました。また、おじさんは一杯飲みましたので、おじさんの分のご飯とお汁は後で持ってきてもらうなど、気持ちのいい接客をしてくれましたし、レジの女性の感じも良かったのでそれなりに満足して帰りました。

帰りは安芸市の西隣にある3面がガラス張りの眺めの良いカフェレストランでコーヒーを飲もうという計画です。その店は国道沿いにあるのですが、店の海側の部分は断崖から突きだしているのです。前に1度行ったことがあるのですが、その時は海に一番遠い席しか空いていませんでした。この日は平日なのでいい席に座れるかなと期待して行きましたが、第2駐車場も一杯で、店の前にやっと1台分のスペースを見つけたくらいでした。

店に入ると席を待っている人が何組かいて、5番目になるということでしたが、急いでもいなかったので待つことにしました。でも、しばらく待っても席を立つ人がいないのです。

我慢我慢と思ってレジの奥の厨房を眺めていると、ポツポツと席を立つ人が出てきました。店の女性が空いた席を片付けに行っては順に待っている客を席に案内していきます。もうかなりの客が利用したのでしょう。使用済みのおしぼりを入れる大きめのペールは一杯になりかけていました。

そんなことを思いながら見ていると、お盆を手にした店の女性が、そのペールの中から使用済みのおしぼりを取りだしてお盆を拭いているのです。当然そのお盆に注文の品をのせて運んでいったのです。l

もちろんこの店でもそうでしたが、客の使ったおしぼりでテーブルを拭くのはよく見かけます。気にしても仕方がないとは思いますが、ペールの中から取りだしてまで、使用済みのおしぼりでお盆を拭く姿を見せられては興醒めです。

細かいことかもしれませんが、清潔な布巾ではなく、客が一度使ったおしぼりでテーブルやお盆を拭く姿に、衛生的で安全安心な食事を提供しようとする姿勢とは違う何かを感じながら、景色だけを楽しんで帰りました。

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