前回は採光の面で窓を考えました。今回は通風について感じたことです。
西隣はすでに家が建っていました。東隣はまだ空き地でしたが、売り出されていたのでそこにも家が建つものとして考えました。そうすると東西とも隣との間隔はそれほどありません。そこに窓を作っても直接日は当たらないし、当然見晴らしも良くありません。カーテンを開けた途端、隣から丸見えになってしまうかもしれません。
採光や通風とは別に窓の有無が影響することがありますよね。押し入れの面は通常窓は取れないでしょう。また洋服ダンスや書棚のような大きな家具も窓のない壁に置くでしょう。
そんなことを考えて東西の壁面には基本的に窓を作らないと考えました。それでもリビングの、西隣の家に面した壁には窓を作るつもりをしていました。
窓のタイプや形状はほとんど自分で調べて決めたのですが、そのリビングの窓だけは設計士が提案してくれたものにしました。防犯が最優先だと設計士に伝えていたので、その点を考慮しての提案で、おじさんが持っていたカタログには載っていなかったものです。
それはとても細長い形状の窓で、幅は10センチにも足りません。ガラスを割っても、とても入れない大きさです。高さは2メートルくらいのにしました。
隣の窓の位置は分かっていたので、お互いに窓越しに部屋の中が見えることのない位置にしました。隣との間隔はあまりないので、当然その窓から日が差し込むことはありませんし、採光という点ではあまり効果がありません。
しかしその窓に思わぬ力があったのです。夏前に住み始めて、すぐに気がついたのですが、その窓から入る風が涼しいのです。そのことは全く期待していませんでしたので、嬉しい発見でした。
どうして涼しいのか考えてみました。隣との境の部分は真昼のごく限られた時間しか日が差し込みません。それで夏場もその部分は比較的涼しいのです。その涼しい空気が入ってきているのでしょう。
このことを設計の段階で知っていれば、小さくていいから窓を作っておけば良かったと思う部屋があります。
ただし、その窓の近くが隣の換気扇で、揚げ物の臭いがもろに入ってくるとか、ベランダや窓側で吸っている煙草の臭いが入ってきたら大変ですが。