家を建てるなら

〜おじさんとおばさんの「オンリーワンの家」〜

昼行灯ならまだいいのですが

2011年4月30日

植物にはほとんど関心もなく、また何も知らなかったおじさんですが、家を建てるとなると少しは緑も欲しいと思っていました。それでリビングの掃き出し窓(広辞苑では「室内の塵を掃き出すための開口部で、その下部を床と同一平面に設けた小窓。」と書かれていますが、現在では下部の位置はそのままで人が出入りできるくらいの高さの窓のことを指すことが多いようです。ここでは後者の意味で使っています。)の隣に坪庭を作りました。「坪庭を作った」と書くと聞こえがいいのですが、何のことはないセメントで塗り固めずに土のまま残しただけでした。

「土のまま残しただけでした」と書くとまた、その時は土のままでも今はきれいに整備したミニミニ庭園にでもなっているだろうと思われるかもしれませんが、今はツルニチニチソウが繁った中に苔玉を二つ三つ置いているくらいです。それでも窓から外を見た時に緑が目に入るのは気持ちのいいものです。

坪庭を作ろうと思った時にはただ緑があるだけではなく、もっと楽しむためのいろいろなアイデアが浮かびました。昼間だけでなく、夜も庭が楽しめるようにしようと建築中に思いついたのです。そのためには照明が必要だと思い、窓の上あたりから坪庭を照らすライトを取り付けることにしました。

自分でカタログを調べて適当なライトを探しました。まだ照明器具の取り付けをしている段階だったので、スイッチはもちろん室内の窓の近くにしてもらいました。取り付け場所は窓の上あたりとだけしか考えていなかったのですが、2階の窓のすぐ下にしたにしたらどうですかと言われました。

リビングの窓の真上に2階の窓があります。2階の窓のすぐ下なら窓から手を出せばライトに届くのです。だからライトの角度の調整も自由にできますし電球の交換も簡単にできると言うのです。「なるほど、それは良い」と思ってその位置に決めました。

引っ越しをしてしばらく経ってから土だけの庭にツルニチニチソウを植えて、寄せ植えも置いて少しは見て楽しめるくらいにしました。そして初めてのご招待の日を迎えました。飲み始めてしばらくすると暗くなってきたので、「よし、今だ」とばかりに坪庭用のライトのスイッチを入れました。

「窓のガラス越しに、ライトに照らされた坪庭が浮かび上がり、お客さんの感嘆の声が聞かれました。」と書きたかったのですが、スイッチを入れても、浮かび上がるどころか何の変化もありません。どうしてライトが点かないのだろうかと思って他の窓から見てみると、ライトは点いています。ライトは点いているのに庭は明るくないのです。

そこで2つのことに気がつきました。1つはライトの明るさが足りないのだろうということです。そしてもう1つはライトが高すぎるのではないかということです。1階の窓のすぐ上と2階の窓のすぐ下とでは、1m以上離れています。そのために庭とライトの距離が離れすぎてしまったのだと思います。

庭を照らすライトが欲しいと思ったのは良かったのですが、どれくらいの明るさのライトをどれくらいの距離で取り付けたらいいのかまで考えられなかったために全く役に立たないものを取り付けてしまったのです。

昼の明るいときに行灯を点けても役に立たないことは分かりますが、夜でも役に立たない行灯を取り付けてしまったおじさんのドジ話でした。

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