土地の購入で一番問題になったのは価格です。限られた予算で家を建てるわけですから土地代が高くなれば家に使える予算が少なくなってしまいます。土地代だけで見れば、坪単価が高くなれば購入できる面積は少なくなります。実際には必要な広さだけを販売するのではなく、前もって区切ってある区画単位での販売がほとんどのようなので、予算内で希望の土地を探すのは余計難しくなります。
設計士が紹介してくれた土地の中に、100坪で1000万円というのがありました。もし坪単価が40万円の土地ならなら1000万円で買えるのは25坪になりますので、同じ金額で4倍の広さが手に入るのです。ただし高知市中心部からは大分離れていました。
最初の頃は、中心部を少し離れて坪単価が安くなるのだったら、それもいいかなと思っていました。中心部を離れると中心部で飲んで帰るときのタクシー代は高くなります。でも、土地の購入費が安くなるのですからそれは問題ないと思ったのです。
そうは思いながらも、本当に問題ないのだろうかという思いが沸いてきたのです。それで計算をしてみました。計算と言っても、とっても大雑把な計算なのですが。
まず土地は中心部から5キロのA地と、10キロのB地の2カ所での比較とします。坪単価はB地の方が10万円安く、広さはどちらも同じ30坪とします。そうすると10万円×30坪でB地が300万円安くなります。
次に飲み会の回数です。親睦や接待も含めた仕事上の飲み会など、人によってその回数には大きな差があると思います。それで、おじさんの周りを見渡して、これも大雑把に計算してみました。仕事上の飲み会や個人的な飲み会も全て含めて週に1回平均、年に50回の飲み会があるとします。夫婦共働きで、それぞれの飲み会の合計です。
行きはバスを利用し帰りはタクシーです。また帰りは10時を過ぎて深夜割増料金になっているとします。バス代はバスの料金表を参考に勝手に決めました。タクシー代は高知市のタクシー料金(表に記載)で計算しています。
仮に30歳で家を建てて60歳の定年までの30年間で比較するとしたら、B地の方が253万5千円余計に必要となりますが、購入金額も含めて計算すると、B地の方が46万5千円安かったということになります。ところが40年や50年で計算するとどうなるでしょうか。単純に同じ条件で計算すると50年では122万5千円もA地の方が安かったことになります。
しかしローンを組むとしたら利子がかかります。B地の場合、年2.5%の利子で1千万円のローンを組んで20年で返済するとします。利子は年2.5%で、半分はボーナスで、残りを毎月の給料で返済すると、総額では約1,274万円となります。
A地の場合は土地代が高くなった300万円を加えた1,300万円でローンを組んで、月々の支払額をほぼ同じにしています。そうすると支払期間は28年間と長くなり、総額は約1,812万円で、土地代が300万円高くなったことによる利子の増加だけでも237万円余となります(財団法人 住宅保証機構の 住宅ローンシミュレーション で計算)。
中心部に飲みに行くことだけで比較しましたが、生活するのには様々な条件が関わって来ると思います。定年を迎えて仕事を辞めると飲み会の回数がぐっと減り、それに従ってタクシーの利用も減るかもしれません。逆に年を取って車の運転を止め、買い物などにタクシーを利用する機会が増えるかもしれません。どちらが得かは、人それぞれなのでしょうね。
それにしても、飲み会の回数で土地選びを考えるのはおじさんくらいでしょうか。