日本茶のおいしい淹れ方


日本茶それぞれに、おいしい淹れ方・楽しみ方があります

淹れ方ひとつで、お茶の味は全く変わります。それぞれのお茶の特徴を活かしたおいしい淹れ方を覚えて,お茶を楽しんでみて下さい。


【おいしくお茶を淹れる原理】
日本茶は、「うま味」が重視されるアミノ酸志向のお茶です。そのため、玉露や上級煎茶を淹れる時

@うま味成分であるアミノ酸を溶出さえせる
A渋味・苦味成分であるタンニン・カフェインの溶出を抑える


事が大切です。アミノ酸はお湯の温度に関係なく溶出しますが、タンニン・カフェインはお湯の温度が高くなるほど溶出しやすいので、低めの温度のお湯でいれましょう。


お茶の淹れ方標準表



お茶をおいしく飲むためには、お茶の持っている味や香りを十分に引き出すことが大切です。
お茶をおいしく淹れる原理に基づいて、お茶それぞれの味・香りを引き出すための標準表を参考にしてください。

玉露 煎茶(上) 煎茶(並) 番茶 焙じ茶
人数 3人 3人 5人 5人 5人
茶の量 10g
(大さじ2杯
6g
(大さじ軽く2杯)
10g
(大さじ2杯)
15g
(大さじ3杯)
15g
(大さじ3杯)
湯の温度 40℃〜60℃ 70℃ 90℃ 熱湯
(蒸気が勢い良く
上がる)
熱湯
(蒸気が勢い良く上がる)
湯の量 60ml 170ml 430ml 650ml 650ml
浸出時間 2分 1分 1分 30秒 30秒


茶のの淹れ方研究会:参考


Point!

◆簡単なお湯の冷まし方

  お湯は、器に移すたびに、季節や器の素材によりますが、5〜10℃下がります。これを利用して目的の温度まで冷まして使 い  ましょう。

◆おいしく飲むには廻し注ぎを
  複数の茶椀でお茶を飲む時、お湯の濃度を一定にするための淹れ方です。
  1⇒2⇒3の順に少しずつ注ぎ、次は3⇒2⇒1の順で注ぎます。これを最後の一滴まで繰り返します。
      
◆お茶の特徴をよく理解する
 ○玉露は40℃〜60℃の温めのお湯で、2分間しっかり浸出させる。
 ○煎茶は70℃〜90℃のお湯で、1分間浸出する。
 ○番茶・焙じ茶は熱湯・茶の葉をたっぷり。茶はこまめに取り替える。

◆水を吟味する。
◆湯は必ず沸騰させてから使用する。
◆茶種に合った茶器を選ぶ。

 

玉露
90mlが入る急須
ごく小振りの茶碗(40ml)
上級煎茶
250mlが入る急須
小振りの茶碗(100ml)
中級煎茶
600mlが入る急須
中振りの茶碗(150ml)
番茶・焙じ茶
800mlが入る土瓶
深い大振りの茶碗(240ml)


◆茶種と淹れる人数による茶の量湯の量湯の温度浸出時間は最も重要なポイントです。

◇おいしい淹れ方〜基本編〜◇

【うま味を楽しむ:煎茶】
@茶椀8分目(60ccくらい)湯を入れる
Aお茶を一人あたり3g急須に入れる
B茶椀で適温まで冷ました湯を急須に入れ、
 1分ほど待ってから最後の一滴までしっかり注ぐ
※深蒸し煎茶は味が出やすいため浸出時間を短かめにする
※2煎目からは30秒程度でOK
【うま味を楽しむ:玉露】
@湯を湯冷ましに入れ、冷ます
A@で冷ました湯を急須に入れ、さらに冷ます
B急須の湯を茶碗も8分目ほど注ぐ
※茶碗は玉露用の小振りなものを使う
C急須すに玉露を入れ茶碗の湯をそそぐ
D2分間ほど待ってから廻し注ぎで最後の一滴まで茶碗
に注ぐ
E数煎楽しんだら、茶がらも食べてみましょう
【香りを楽しむ:番茶・焙じ茶】
@茶を急須にいれる
A急須に熱湯を注ぎ、約30秒待ってから注ぐ
【暑い夏にぴったり:冷茶】
@水だし用ティーパックを冷水にいれる
A約20分後(お好みにより調整)、トングや長箸などで
ティーパックを絞る
Bティーパックを冷水ポットから出す
Cペットポトルなどで持ち歩く時は、1日で飲み切りましょう
※水0.5リットルに対し、ティーパック1袋(5g)が目安


◇お茶と水の関係〜水の選び方〜


  有機物や鉄、マンガンが少ない水がお茶に合う。
       外国産のミネラルウォーターは表示を要チェック。

    日本の水道水はお茶に適した水の条件を満たしていますが、カルキ消毒されているため、そのままではおいしく飲めません。
      水道水を使う時はカルキぬきを。
        2〜3分沸騰させるか、汲み置きしておく

    水道水を使っておいしいお茶を淹れるには、カルキ臭さを消すことが必要です。一番良いのは、水道水を2〜3分沸謄させ    てから、適温に冷ましてから使うことです。また、水道水を4〜5時間汲み置きしておいても、カルキはぬけます。

お茶に適した水で淹れれば、お茶はよりおいしくなります。お茶に合う水の硬度を紹介します。

軟水

硬水

硬度100ppm以下 日本茶に合う水は硬度30〜80程度
硬度200ppm以上)
硬度10以下になると、苦渋味を強く感じるようになり、日本茶には適さなくなります うま味、渋味、苦味がバランスよく出ます。日本茶には硬度30〜80程度の水が合うとされています 硬度が高いと、お茶の苦味が抑えられてしまいます。苦味・渋味・うま味のバランスが大切な日本茶には向きません


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