N360エンジン編

’67年発売のN360用エンジン。ホンダが誇るスーパーバイクCB450のエンジンをモチーフに開発された。
空冷OHC、2気筒、354cc、から最高出力31ps/8500rpm、最大トルク3.0kgm/5500rpm、最高速度115km/hの性能を誇った。
この高回転・高出力は気筒間に配置されたカムチェーンや、V字に配置された吸排気バルブそしてクランクに配された4個のローラーベアリングのおかげでもあった。ボアストロークは62.5mm×57.8mmのオールアルミエンジンである。
キャブレターは京浜製可変ベンチュリータイプを装備していた。
エンジンの下側に配置されるミッションは、クラッチにダイアフラムスプリングを使用、調整不要にセットしていた。1次減速比2.812、そして1速から順に、2.529−1.565−1.000−0.605となっている。メインシャフト・カウンターシャフトに配されたギアは、常時噛み合い式のドグミッションを使用していた。

N360エンジンのページでは、’67年式と’68年式のエンジンの外観について紹介していきます。
車体外観がこれほど似ているN360でも、各部はこんなにも改良を受けています。
1967年式
N360E
1968年式
N360E
’67年型には特徴的なトルクロッドが装備される。
エンジンブレ止めの為に、カムケース後方からストラット上部に伸びる。
キャブレターは、この角度からだとほとんど同じに見えるが、チョーク・アクセルワイヤーの取り回しが年式で異なっている。
ブレーキマスターシリンダーは、取り付け位置、形ともに異なっている。’67年式の位置は、ボンネットスリットからエンジンルームに侵入してくる雨等の直撃を受けるため、下方に移動したものと思われる。
’67年式のトルクロッドがはっきり見えます。
ホーンのコストも断然’67年式のほうがかかっています。
エンジンタペットカバー。’67年式にはトップにHONDAの文字がありません。
’68年型はチョーク・アクセルワイヤーの取りまわしが確認できます。
これも特徴的な、’67年型の左プーリー。エキパイにも途中でジョイントがありここにもコストがかかっています。
エンジン下部のマウントです。’67年型は下部2箇所で受けて、さきほどのトルクロッドで支えています。’68年型以降はナンバープレートに隠れている部分にサブフレームからの立ち上がりステーがあり、ここで支えています。

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