いちまいの絵



2011年8月

201108
『復活する夏』

紙に交響水彩 500mm×400mm

今年の夏は夏でない・・

温暖化や異常気象の土俵で語られるのではない
放射能の影響で、子供の遊び声が消えた夏
裸足で走ることの風景が消えた夏・・
私に言わせれば、そんなものは夏ではない。

朝から入道雲が
勇壮に力強く立ち上がり
強い日差しの太陽が、向日葵のごとく光線を延ばし
太い樹木
深い緑
盛んな蝉の鳴き声は
夕暮れに蜩(ひぐらし)の涼しい声に替わり

空一面にサラウンドのように雷太鼓が響き
必ず夕立の中をくぐってから帰った。

焼けた背中の肌を 皮を剥いてもらった。

雨は山に流れて川に注ぎ
海に注ぐ

豊かな循環の恩恵の中で
子供たちの歓声が聞こえた。

夜の夏の星は うるさいほど饒舌な瞬きだった。
それが私の思う 本来の夏だ。

復活して欲しい
夏が復活するような
本来の環境に戻ってもらわなくてはならない。

私たち自身のためにも・・・
そんな願いで描いた。