いちまいの絵



2011年9月

201109
『汗の匂い』

紙に交響水彩 四つ切サイズ

岡山に住んだ幼少時
よく肩に乗せてくれたおじちゃんがいた。
近所の・・今思うと
かなり年配のお爺ちゃんだったと思う。

でも、この人の輪郭はオボロゲなのだが
妙に記憶にあるような気がするのは
この『おっちゃん』の汗の匂いなのだ。

今の時代は、加齢臭とか騒いで
神経質に除菌する。
大人でもないのに学生が、ぷんぷん香水を付ける。

おっちゃんは、コロンなどを付けていたわけでも
良い匂いがしたわけでもない。
でも記憶に在るのは、汗をかいてよく働く人
子供が大好きで、私を可愛がってくれたこと
だから、その匂いは そうした人格を持つ
おっちゃんの匂いだったのだ。

社会の中で
年配の方と子供たちが、元気で大切にされていて
笑顔に輝いているならば
きっと、その社会は理想的なのではないかと思う。

なぜか、今だからか、私にそうした絵を描く衝動があった。