いちまいの絵



2010年11月

201011
『待つ幸い』

紙に交響水彩 四つ切サイズ
個人所蔵

時代の流れのとても速いところにいる・・
現代を指して、そう言われて久しい。

映画『エデンの東』に出てくるキャルの父親は
高原レタスを氷で冷蔵して貨車で運ぶアイデアを実行するが
路線問故障で氷が溶けて全滅・・
しょせん人間の奢りだったと言う。

その季節でしか、食べれないものを
温室で一年中供給するシステム

その場所だから美味いものを、いち早く運送するシステム

待ち合わせの相手を信じて待つよりも
数分おきに『今どこ?』と携帯ツイートする風潮

熟す、潤い 恩恵 、豊かさ
これらは 即席やファストでは産まれない。
待つべきものを、感謝するべきものを
我が物顔で奪うように・・・なんて
待つことが出来ない、継続しないものなんて
人と人にしても、本物とは思えない。

ゆっくりと暮れなずむ川で釣りをしている人を
青梅の橋の上から見ていたときに
そうした様々なものを感じていた。
川面に当たる風の一つ一つに
人との出会い、満ちていく時間、などを表したかった。