いちまいの絵



2010年10月

201010
『月水浴』

紙に交響水彩 四つ切サイズ
個人所蔵

天幕という言葉がある。
中東では、昔 多くがテント(幕)生活を送っていた。
家長、族長がいて、その住居であるテントは
大きく子孫も増え続けた。

人間の頭(かしら)が入る場所が 幕なら
人間の創造主、神が住むところは
高い高いところ・・天幕だということになる。

幕というと、私にとって
千変万化する空と雲は
たくさんの幕(カーテンや帯)が
透き通って、横、縦、斜め、前に後ろに
つまり自由に縦横無尽に
ゆったりと風を率いて動いて
光も蓄えてパワーを増していくように見える。

この絵では そんな自分の内なる響きを描いた。

ときに水に映り行く月は、
割られて湯に落ちる黄身のように見える。

次から次へと 夜の帳をめくって
雲が月を乗せて、また別の『湯』につかりに旅をする。