いちまいの絵



2010年9月

201009
『プールの歓声』

紙に交響水彩 四つ切サイズ
個人所蔵

もう9月というのに、夏本番と言える気温だ。
しかも今年は特に暑い。
比較的涼しい地域に住む人は
昔と変わらない、人間がエアコン慣れしているからだと言うが
夏の特色である積乱雲も中途半端で、夕立も降らず
かと思うと局地的に変動する現代の気象は、温暖化で昔とは異なる。

ここ数年、泳いでいない。
プールにも浸かっていない。
冷えたビールを飲むように、冷えたプールに身を休めたい。

以前、スライダーの内部に入って、FRP(強化プラスチック)の
補修工事をしたことがある。人が滑って内部が磨耗したり
弱くなったりするため、補強や増厚、安全で円滑な走行面に保つ作業。

これは、としまえんのウォータースライダー(ハイドロポリス)で
着水した人たちを 影から見ている構図で描いた作品だ。
実際にその場で、水中から上がった人たちの歓声が聞こえてきた。

手前の鉄骨の暗さや冷たい印象が かえって良かったかもしれない。
意外に、私は水が涼しく感じられる作品が少ないことに気付いた。
モチーフとイメージはたくさんあるので
今後はまた、制作していきたい。