いちまいの絵



2010年5月

201005
『燻し陽』

紙に交響水彩
太地サイズ

ゆっくりとも
瞬きとも感じる
暮れなずむ日没

ぶすぶすと
音を立てて沈み
夕闇の空気の分子構造を燃やして
焦がし
摩擦熱が生じる。

通り抜けられた空は
いぶされて
もくもくと
煙を上げて
空の柄を一変させるのだ。

この空を見たときに
自分が感じた音を
なんとか絵に凝縮させたかった。

自分の人生も
音が出るような 燻し陽でありたい。