いちまいの絵



2010年1月

201001
『冬焦がす』

紙に墨と色墨と鉛筆
太地サイズ

いつも見る道
おそらく昔おかいこさんをやっていた家の前の道
中学校へ行く道
四季を通じて見てきた道
雪道に見た二人のイメージは、
色を使わずに描くことで、近づいた気がする。

おかげさまで、新たな年を迎えることが出来ました。
昨年は、郷里の津山〜鳥取〜神戸〜大阪と、
初めての巡回展示を含め、個展が合計70回となりました。
また様々な企画展示にも参加し、
絵描きのアスリートのような年でした。

しかし、絵になっていない自分の内奥は溢れ続け、
描けば描くほど、産み出せば出すほど、
より深く新たな『産み出すべきもの』が見えてくる気がします。
この絵も、10年近くかかりました。

個展は、絵を描く自分を 遠くから見つめることができる、
唯一の空間と機会だと思います。
そこで自分の至らなさを思い知り、
自分とは何者かの一端を 垣間見れるのです。
作品に注がれる皆さんの視線によって裸にされた絵を、
唯一リザーブシートで見れるのは作者だけです。
ですから、皆さんに心から感謝しております。

今年、内定している個展は、
初めての北海道釧路市や、
東京八重洲、高円寺、大阪、入間市などで、
また増えるかと思います。

2010年は、アングリーとサイレントの年にします。
閉塞した時代で、経済や身の回りに翻弄されそうですが、
弱い自分にアングリー(怒り)し、
自分の内奥を静寂(サイレント)のうちに深く見つめた、
作品を重厚に制作して生きたいと願います。

どうか、今年もよろしくお願いします。
皆様にとって幸多き年でありますように。