いちまいの絵



2009年9月

200909
『星屑の路(STARDUST ROAD)』

キャンバスと和紙に交響水彩 1200mm×950mm

幼い頃、岡山県の市岡という所に、
親戚があって泊まりに行った。
大きな空が広がり、田んぼがあって、
彼方に山が見えて、いろんな香りがして、
カエルの鳴き声がして、雲が動いて様々な形に見えて、
風のそよぎで、草木が触れ合う音がして・・
夜空の満点の星たちは、子供の目には、
綺麗というより、うじゃうじゃと見えすぎて、
星屑(くず)という表現が、まことにピッタシくると、
そのとき思ったものだ。
都会では、くずどころか、星そのものが殆ど見えなくなった。
でも描きたかったのは、郷愁や、昔はよく星が見えた、
ということだけではなく、
地球的な自然の恵みの大切さや、失われつつある、
本来人間が持つ五感や逞しさやイマジネーションだ。
版を押したように動く現代へのクエスチョンかもしれない。
星屑がきらめく様子を、ちぎって貼り付けたた水彩紙に託した。
雲は大型船や歩く人など、様々に見えた。
季節的には、田んぼは稲穂がもっと伸びているかもしれないが、
当時の記憶では、雲が水に映っていた。
ここを地球的にイメージしたかった。