いちまいの絵



2009年8月

200908
『守護(MAMORI 帆掛けサバニと久高島)』

キャンバスと和紙に交響水彩 2000mm×1500mm

OKINAWAというと、夏バカンスの人気観光地という印象が強い。
エメラルド・グリーンの海、ダイビングなど。
しかし8月は終戦の月・・
最後まで逃げ場も無い陸上戦を強いられたのも、同じ沖縄。
地獄絵図となり、そのとき海は血に染まった。
BIGINの歌で『昔お爺がよお、サバニを浮かべてよお♪』という節があるが、
琉球の美しい海に女性の流線型のような船
サバニに帆を掛けて、男は海の恵みを獲りに向かう。
待つ女たちは、無事を祈り、大きな力の守護を希う。
知念にある斎場御嶽(セイファーウタキ)でも、
約5キロ離れた久高島でも、神事には女性だけしか入れないことに深く感動した。
沖縄で2年前に個展を4会場同時開催した際、本当に多くを感じた。
毎日巨大なエネルギーを享受出来、様々な光、雲海、波、風を体感した。
自分の内に焼きついた膨大な下絵と体感を画布に吐露するのが困難だったが、
ようやく凝縮したものが心のチューブから搾り出せた。
帆が透けた美しいイメージにしたかったので、和紙に染みこませて張り込んだ。
再来年、再び個展開催できるように準備したい。