いちまいの絵



2009年7月

200907
『蛍リバー』

紙に交響水彩 F8サイズ特注
個人所蔵

蒸し暑い梅雨の時期に、川の流れの音が人の魂を癒す。
近所の川には、武甲山の湧き水が合流し、
この時期、そこに神秘的な光の軌道が見える。
観光用に餌付けで増やしたのではない、蛍(ホタル)の光だ。
昨年、感動して無数のスケッチと3枚の作品を産み出したが、
また今年も、会いに来てくれた。
すでに新たな作品が起動しようとしている。
この絵の薄緑に光るホタルの光の軌跡は、すべて実際に見た動きで、
橋にいた時にも飛んでいた。
いいかげんな空想でホタルたちを、
エアブラシなどで不自然に描くのは、
わずかな命を燃え尽きるまで輝かせるホタルに失礼だ。
川のいちばん激しい動きの部分は、浮世絵的にエッジを強調した。
地球上には、どうぞ食べてくださいと、身体に良い産物が、
お疲れ様、どうぞ見てくださいと、私たちの心を癒すものが、
満ち溢れている。
感謝さえすれば、維持することが出来、
その恵みを、ずっと受けることが出来る。
ホタルは人寄せパンダではなく、神秘的な賜物なのだ。