いちまいの絵



2009年2月

200902
『桃色は 母の色』

紙に交響水彩 370×450mm(四つ切)

雛祭りは、なぜ行われたのだろうと調べた。
宗教行事としての雛祭りを描くことには興味が無い。
太古はエアコンやストーブで暖も摂れず
厳しい寒季を、滋養の少ない子供が越すのが挑戦だった。
幼い女の子が健やかに育ってほしいとの願い
少しでも早く春を迎えたい。春に咲く桃、菱の実から作る餅
厄を人形に託し、幼子の災厄を減らそうとする願い。
そうすると根底に流れているのは、親の子への祈りにも似た愛情。
5年前に産声を上げた私の孫娘と娘を見てきて抱いていた想い。
暖かい愛情を この桃色のイメージで描いた。
子供の右下には桃の芽が、上に行くにしたがって開花しそうになる。
母の周りは、成長を遂げて 桃の花が立派に開花している。
各々の開いた桃の花は、一人の女性が困難を乗り越えて成人したこと
人を愛したこと、新しい命を産み出したこと、子と信頼で結ばれていることを
表現した。子供の指を ふわふわした感じで描きたかった。
社会的にも冷え切った時期だからこそ発揮される
(余裕がある時にだけ示すのでない)愛・・暖かい色調で全体を包みたかった。