いちまいの絵



2009年1月

200901
『春の控え室(JAZZ)』

紙に交響水彩 530×200mm

厳しく寒い冬
動物は冬眠し、樹木たちは衣を緑から赤や黄に燃やして落とし
ヌードとなる。
落とされた葉はフカフカの絨毯となり、ダンゴ虫が入って食べ糞をする。
それが豊かな土壌を産み出し、裸の樹木に
春、また新たな衣を作る生地(栄養)を提供する。
地面のはるか下には、春を準備する 人智を超えたムーブがあるに違いない。
葉が崩れ、枝が落ち、雪や寒風にさらされ、様々な多種多様なものが混ざり合って
美しいものが地上のステージに登場する様は JAZZに等しい気がする。
人知れず地中で 生命の営みと言う演奏が続き、発酵という汗が流される。
その甲斐あって春の花咲く演奏は、観客の心を掴んで離さないのだ。
この絵のイメージは4年くらい前からあったのだが、
イラスト的な・・例えば脇にモグラを描いた様な・・
ガラス箱で見えるアリの巣の断面のようなものにしたくなかった。
多種多様なものが混ざり合って産み出す印象こそが、命、JAZZだからだ。
深い地中での印象で、こうした縦長変形となった。
今後、四季の各々のいくつかの控え室の絵が産まれるかもしれない。


【ごあいさつ】
昨年中は、
当ホームページを多くの方に閲覧していただき、
個展を丁寧にご高覧いただくことが出来ました。
心より感謝しております。
ガザの空爆と悲鳴は心の暗雲ですが、
今年も自ら心で感動した作品を産み、
人の心のライフラインと言えるような作品制作へ、
精進していきたいと念じております。
銀座、八重洲、神戸、鳥取、岡山、大阪、埼玉と個展開催予定です。
よろしくお願いします。
皆様が健康で、幸多き2009年になりますように。
香本博