いちまいの絵



2007年8月
200708
『兄弟(はらから)』

ホワイトワトソン紙に交響水彩 四つ切りサイズ
個人所蔵

満開まで行かない寒桜の季節
羊山の丘の上で、兄弟が
一帯に見渡せる町並みを一緒に見ている。
妹にとっては お兄ちゃんが頼りだ。
兄貴にとっては、妹が可愛く守ってやりたい。
二人は同じ母の胎から愛情に満たされて産まれた
はらから(同胞)だ。

この桜の樹は
時期に花を咲かせ
木陰を作り
様々なものから守る安心感を与える
満開の時期、たいていは雨の試練を受けるが
潔く散り、空や土を さくら色に染める。
兄弟(はらから)を守る母親のようだ。

少し肌寒い花見の中で
変わりつつある町並みを見つめる
寄り添う兄弟に
現代に不足する 暖かいものを感じて
制作した。
桜の樹のイメージが、以前より描けたと思う。