かすかに残り雪が民家の屋根や丘に残っている師走の夕刻
人々や時代は 絶えず色々なものに影響されて変化し
あっちにいったりこっちにいったり、やがては
無くなって、つまり存在しなくなってしまう。
最も良いとされて奔走した後のレールや歓声も
やがては消えて埋まって見えなくなる。
高いところに無いものだから
レベル・・志(こころざし)の低さから
きっと簡単に埋まってしまうものなのだ。
しかし、存在するものは 動かずにある。
たとえ削られようと
数々の問題に遭遇しようと
ふらふらと動き回ったり、いなくなったりはしない。
自分は こうありたいというイメージを
どっしりとした静かな武甲山に投影していた。
静かは 数々の青の結集だ。
空以外は、薄い油彩で描かれている。
木炭の骨太な質感を見せたかったからだ。
空は、乾燥してから寝せて水を張り
リキテックスやガッシュやクレヨンなどで
山にぶつかって光る雲、にじむように分解する雲
何層にもドラマチックに動く空や風を表現したかった。