いちまいの絵



2007年5月
200705
『存在するもの』

キャンバスに交響水彩(山は油彩)
F30号サイズ

かすかに残り雪が民家の屋根や丘に残っている師走の夕刻
人々や時代は 絶えず色々なものに影響されて変化し
あっちにいったりこっちにいったり、やがては
無くなって、つまり存在しなくなってしまう。
最も良いとされて奔走した後のレールや歓声も
やがては消えて埋まって見えなくなる。
高いところに無いものだから
レベル・・志(こころざし)の低さから
きっと簡単に埋まってしまうものなのだ。

しかし、存在するものは 動かずにある。
たとえ削られようと
数々の問題に遭遇しようと
ふらふらと動き回ったり、いなくなったりはしない。
自分は こうありたいというイメージを
どっしりとした静かな武甲山に投影していた。
静かは 数々の青の結集だ。
空以外は、薄い油彩で描かれている。
木炭の骨太な質感を見せたかったからだ。
空は、乾燥してから寝せて水を張り
リキテックスやガッシュやクレヨンなどで
山にぶつかって光る雲、にじむように分解する雲
何層にもドラマチックに動く空や風を表現したかった。