家で飼われていて時折外に出る猫は
その日の天候によって
時々『静物』になる。
つまり、静物画のモチーフの切花や果物のように
同じポーズで固まるのだ。
いったい何を考えているのか、全く考えていないのか判らないから
猫天気の気象予報士は、人間にはなれないだろう。
『晴れのち静物』
晴れの日は、外に出たくて キョロキョロと落ち着きが無く
遊んで帰ってから静物になる。
『曇り時々静物』
曇りの日は、ペースが遅く 時々 静物になる。
『雨一日静物』
雨の日は、猫は とことん眠く、一日静物状態だ。
この三様の猫のありさまを シリーズで描きたかった。
どんてんのシルバーの空をカーテンに織り込み
私には珍しく切花のバラを描いた。
どこを見ているともしれない表情が、意外と難しかった。
黄色い猫じゃらしで遊んだ後、
メランコリーなシルバーグレーの風に吹かれて
クールダウンの中で、
自分の生い立ちなどを回想しているのかも
しれないなあ。