いちまいの絵



2007年3月
200703
『曇り時々静物』

ホワイトワトソンに交響水彩
太地サイズ

家で飼われていて時折外に出る猫は
その日の天候によって
時々『静物』になる。
つまり、静物画のモチーフの切花や果物のように
同じポーズで固まるのだ。
いったい何を考えているのか、全く考えていないのか判らないから
猫天気の気象予報士は、人間にはなれないだろう。

『晴れのち静物』
晴れの日は、外に出たくて キョロキョロと落ち着きが無く
遊んで帰ってから静物になる。
『曇り時々静物』
曇りの日は、ペースが遅く 時々 静物になる。
『雨一日静物』
雨の日は、猫は とことん眠く、一日静物状態だ。
この三様の猫のありさまを シリーズで描きたかった。

どんてんのシルバーの空をカーテンに織り込み
私には珍しく切花のバラを描いた。
どこを見ているともしれない表情が、意外と難しかった。
黄色い猫じゃらしで遊んだ後、
メランコリーなシルバーグレーの風に吹かれて
クールダウンの中で、
自分の生い立ちなどを回想しているのかも
しれないなあ。