いちまいの絵



2007年2月
200702
『挽歌』

ロクタ紙に交響水彩
個人所蔵

恩師、山中隆太郎さんの訃報を義兄から聞き
夜すぐにかけつけた。
普通に笑みを浮かべて眠る山中さんの顔に触れ
号泣した。
悲しみと驚きと怒りの入り混じった心は
どこにも放出できずに
風の強い深夜に、とぼとぼと自宅へと歩いた。
途中で立ち止まった
深い紺碧の晴れた空に武甲山がうっすらと浮かび上がっていた。
突然心が壊れた。
私の心は四方八方に飛び散った気がした。
どっしりとした武甲山が山中さんに見えて
熱いものがこみ上げたのだった。

ネパールのロクタという樹から
坂本直昭氏が作った紙を使用して描いた作品。
薪ストーブの煙のある家が下にあり
見守っている温かさを表現したかった。