セヌリエコットン紙 交響水彩 F-8サイズ
個人所蔵
鳥取の岩戸、目の前の日本海は荒れ狂っていた。
塩の塊の泡が、海が吹くシャボン玉のように
顔にぶち当たる。
闇夜に叫び続けていた海は
朝方5時頃になって、ようやく静まり
光が灯台の向こうに見えた。
ふと見ると雪の通りに足跡をつけて
野良猫が歩いていた。
猫は大通りの開けた方向ではなく
灯台の方向 路の奥へと進みそうだ。
人生を生きることを
この道を行く と言うことがある。
単に会社の看板を背負っていては
その人自身の 足跡は着かない。
足跡のつくような人生・・みちを
歩きたい。
沈んだ鉛色のような色を表現するのに
苦労した。
静けさ・・争う様々な蒼を
自分が見た色や動きに少し近づけた
かもしれない。