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49:土山


東海道を歩く (49:土山宿) 11km




(写真は東海道伝馬館)

鈴鹿峠から、ほぼ国道1号に沿って緩やかな下り坂を約6キロ、道の駅「あいの土山」に
到着しました。



道の駅で、キツネうどんを食べて、一休みします。

でも、いったん座ると、今度は、膝が痛くて、直ぐには立ちあがれません・・・

道の駅の隣の店で、写真の名物「かに坂餅」を買います。

本物の竹の皮に包まれた、べっ甲色の手づくりの飴です。

甘くはなく、素朴な味のアメです。

水飴をゴザの上にたらし、コテで押して平たくして作るそうで、そう言われれば、イ草の筋と香りが
ついていました!



土山(つちやま)宿は、住所でいうと、滋賀県甲賀(こうか)市土山町です。

そう、忍者で有名なあの”甲賀”です。

土山宿は、道の駅「あいの土山」の裏側の道から始まります。



家々に屋号が掛けられた連子格子(れんじこうし)の落ち着いた町並みです。





一里塚跡、旅籠跡、問屋場跡と続きます。







そして、土山本陣跡には、写真の様に、往時を偲ばせる立派な建物がありました。





下の写真の東海道伝馬館は、宿場や伝馬制度をテーマにした入場料無料の展示館です。









しかも、案内のおばさんが、名産の土山茶をサービスしてくれます。

おばさんの話によると、この町の裕福な議員で、東京へ出る際に、この東海道伝馬館の建物を
町に寄贈したそうです。

当主は、ごたぶんにもれず、都会へ出てしまわれて、と、土山宿を愛するおばさんは、寂しそうに
話しました。

”これからどう行かれるんですか?”と、おばさんに聞かれ、膝が痛いけど、頑張って次の
約11キロ先の水口宿まで歩かざるを得ない、という状況を説明します。

”確かに、関宿からJR貴生川(きぶかわ)駅までのバスは、一日に1本のみですが、この土山から
なら、JR貴生川駅行きのバスが、1時間に1本ありますよ。”

”え〜っ!本当ですか!!”

”国道1号は、旧東海道に並行して走っているので、膝が痛いときは、いつでも国1号に出て
JR貴生川駅行きのバスに乗れば良いですよ。

バスの時刻を調べてきますね。”

ラッキー!!

困った時は、やはり地元の人に相談してみるもんだ!
良かった!

膝痛を抱えて途方に暮れていましたが、助かった!

おばさんが、時刻表をメモした紙をくれました。

親切に心から感謝!

東海道伝馬館を出て、旧東海道を歩けるところまで歩くことにします。

旧東海道は、写真の様に、延々とカラーで舗装されていて、道を間違えることがありません。



土山宿の史跡で、車の二人連れと何度も鉢合わせします!

土山宿を抜けてからも、下の写真の行く先々の史跡で鉢合わせします。





車と抜きつ抜かれつ?の旅になりました。

こちらは徒歩、先方は車だから、長い距離を、抜きつ抜かれつ?は、変ですよね。

話を聞いてみると、母親と息子で、仕事で、日本橋から京都までの東海道53次の写真を
撮っているそうです。

土山の旧東海道は、歩いても歩いても、茶畑ばかりです。



頑張って歩き続けますが、膝が痛くて、もうこれ以上歩けません。

 ついにギブアップです!

東海道伝馬館のおばさんに教わった通り、旧東海道が国道1号と交差するところに、JR貴生川駅
行きの若王子前バス停があました。

明日の朝、また、若王子前バス停からスタートすることにしてバスに乗ります。

バスに乗ると、乗客は、終点のJR貴生川駅まで私一人だけでした。

土山宿から水口宿まで約11キロです。

(但し、土山宿から若王子前バス停までは約6キロです。

 明日、残りの5キロを歩きます。)







バスで行く東海道「第9回-3」(坂下宿〜土山宿)2012.12.8


「49:土山宿」

バスツアーは、翌朝近江八幡を出発して土山宿へ向かいます。

・田村神社



 鈴鹿の山賊を退治した坂上田村麻呂が祀られています。

 境内は、驚くほど広く、社殿も新しく立て直した感じです。


 よほど、金持ちの神社なんですね〜!





(境内の神馬)

バスは、土山宿の町中に入ります。







(本陣跡)

・東海道伝馬館



 一人旅の時に、すっかりお世話になった東海道伝馬館に再びお邪魔します。





・井筒屋跡と平野屋跡

 森鴎外の祖父で、津和野藩亀井家の典医だった森白仙が、参勤交代に従って、江戸からの
 旅の途中、病のために下の写真の旅館・井筒屋で息を引きとりました。



 そして、森鴎外が、祖父が倒れた土山を訪ねて来たときに、宿泊した旅館が、下の写真の
 旅館平野屋です。



・お六櫛を詠った碑



 土山の東・生里野に、十数軒が軒を連ねて、土山名産の「お六櫛」を売っていたそうです。

”吹かば吹け 櫛を買いたに 秋の風 (鬼貫)”

 (鬼貫が、お六櫛屋でくしを買って、鈴鹿峠へ向かうときに詠んだ句です。)



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