![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/76/ae0f157addb3fe8c9beffa99a046143e.jpg)
(写真は、殺生石の”妖怪・九尾の狐”)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0070.gif)
芭蕉は、14日間も逗留した黒羽の浄法寺家をあとにして「殺生石」へ向かいます。
黒羽の城代家老の浄法寺高勝が、用意した馬で送ってくれました。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/eto_uma.gif)
この馬を引く男が、「短冊に一句書いてくれませんか」と芭蕉にせがみます。
芭蕉は、風流なことを望むものだ、と感心して、一句詠んで書いてあげます。
”野を横に 馬牽むけよ(うまひきむけよ) ほととぎす”![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0249.gif)
(どこかでホトトギスが鳴いている。ホトトギスの鳴き声が聞こえる方向に馬を差し向けて、
聞こうではないか。)
我々のバス旅行も、黒羽から殺生石へと向かいます。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cars_train.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/be/27976355ed8a4aa3d2d1c61c5ea13662.jpg)
(バスの中)
「殺生石」(せっしょうせき)は、平成26年に国指定「奥の細道の名勝地」に指定されました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/03/0b0f6dba876d634397d2130d547409e3.jpg)
その荒涼とした情景は、我々の持つ那須高原の穏やかなイメージとは異なる独特の雰囲気です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/bd/a8beef1229c96ddc954fb1ebe3f43ada.jpg)
私は、青森の恐山の風景を思い出しました。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0151.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/36/016cdbed2f04aefb540f2198b8c1c4d0.jpg)
草木が一本も生えていない「賽の河原」(さいのかわら)の中の緩やかな木製の歩道を、
その一番奥にある「殺生石」を目指して上って行きます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/f2/e632d2d3fb05bc9915113effea9efdc1.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/23/e87339d889c97bf8248dd7fef1cf9209.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/a6/90c0f6371c213fc23bd3fc50f9de1f0e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/b4/74043cfcf171b23fe1967d9ceb306f76.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/1c/bddce57a6e75f0d92919dfc445fb938f.jpg)
写真は、「千体地蔵」で、お地蔵様が約800体も並んでいます。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_shock1.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/d7/fea7005c0aa83d7680e45153a6b56fc1.jpg)
このお地蔵様は、何と!、1人の石工職人によって作られたものだそうです!![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_5.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/2e/eda23415dd4d5df2d9652a57db006cd1.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/41/5f470ceb29d35fddce1527eaf4f35e80.jpg)
上の写真は、「盲目蛇石(めくらへびいし)」です。
説明版によると、その昔、五左ヱ門という湯守が、目の見えない大蛇と出会い、その大蛇が冬を
越すための小屋を、ここに作ってあげました。
その後、その大蛇は見当たらなくなりましたが、代わりに、ここに「湯の花」が出現したそうです。
それを見た村人達は、大蛇に感謝して、蛇の首に似たこの石を「盲目蛇石」と呼んで、大切にした
そうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0140.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/bc/2a2e4a062e11e75c955cb32d3bc4ebba.jpg)
上の写真は、その出現した「湯の花」で、周辺には、温泉特有の硫化水素ガスの臭いが漂います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0143.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/68/440972072750742bd9797948d9719eb8.jpg)
ようやく、写真の「殺生石」(せっしょうせき)に着きました。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0090.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/a7/b3504898f90a4187c40e7ab5191c0acd.jpg)
以下は、この「殺生石」と「九尾の狐」(きゅうびのきつね)についての有名な伝説です。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kuri_3.gif)
平安時代、鳥羽帝の愛する妃に「玉藻」(たまも)という美人がいましたが、実は、この妃は
「九尾の狐」の化身でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ny_kimono_f.gif) ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kuri_5.gif)
「九尾の狐」とは、唐から飛来してきた”9本の尻尾”を持つ”狐の妖怪”です。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_5.gif)
玉藻は、鳥羽帝の命を奪って、日本の国を我が物にしようとしたため、帝は、日に日に衰弱して
床に伏せるようになってしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_6.gif)
しかし、陰陽師の阿倍泰成が、その妃の正体を見破ってしまいます!
そこで、「玉藻」は、「九尾の狐」の姿となって、ここ「那須野が原」に逃げ込みます。
朝廷は、上総介広常(かずさのすけ ひろつね)と三浦介義純(みうらのすけ よしずみ)の
両名に、九尾の狐の退治を命じます。
命を受け那須野が原へ向かった2人は、この地で、見事に九尾の狐を退治しました。
すると、殺された九尾の狐は、恨みを残したまま石となり、その怨念は毒気となって、近づく人や
鳥獣を殺し続けたのでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_shock_s.gif)
その石が、この「殺生石」(せっしょうせき)なのです。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_5.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/e3/5da9a04c0b7358da5fe47d5c1e7fe380.jpg)
曽良は、この殺生石を見て、下記の句と文を残しています。
”石の香や夏草赤し、露あつし” (曽良)
「殺生石は温泉の出づゆ山影にあり。石の毒気いまだ滅びず、蜂、蝶のたぐひ真砂(地面の砂)
の色の見えぬほど重なり死す」
「殺生石」の隣の左手の山側に、「那須温泉(ゆぜん)神社」が見えています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/fb/af4742fc8469629ed08d22fa47651a41.jpg)
殺生石から、那須温泉神社を目指して、石段を上って行きます。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0090.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/dc/d785537a6cf7cc95ec3a5a461e4d2101.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/71/3f48a6e9b967383b4d19d0814778ed64.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/2f/5f894790504bca169dbd3924969b1599.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/31/4e8316aeed737e20029e3c59f2b1f3e4.jpg)
那須温泉神社の境内には、更に「九尾稲荷神社」があり、そこには、下の写真の”妖怪・玉藻”の
化身である「九尾の狐」が祀られていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/cc/b0fd2d4b753955762a7450b5fb8c9b7b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/bf/6ed3432a228a5349804c83d28945a654.jpg)
待てよ・・・ 、確か、大田原宿の大田原神社の狛キツネには、尻尾が何本もあったゾ・・・?![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kuri_3.gif)
そうか 、 (名探偵コナンの口調で ) 「謎は全て解けた 」、 そうだったんだ!
大田原宿の大田原神社にあった、下の写真の不気味な狛キツネは、この「九尾の狐」だったんだ!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0151.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/4f/16ae50b0e24e3cb21056158b66dd3eb1.jpg)
(大田原宿・大田原神社の狛キツネ:(奥州街道・大田原宿))
道理で、狛キツネにしては、気味の悪い妖怪の様な表情をしていた訳だ。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_happy_s.gif)
那須温泉神社の創建は630年で、那須与一が、屋島の戦いの折に戦勝祈願したそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/d9/9f8877380cf11f807d08dab1625b876b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/9a/f037036908665e875eb884412a222e37.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/24/a1924fb140200035f0b29bdf80c61835.jpg)
ここには、「君が代」の歌詞に出てくる下の写真の「さざれ石」が祀られています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/ef/74f858aa0d199c94820aebc700c6a481.jpg)
中山道の下諏訪宿の下社秋宮で見た下の写真の「さざれ石」と同じ感じです。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0151.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/46/eeb1116a22154184bc1fc137d0572cea.jpg)
(下諏訪・下社秋宮の「さざれ石」:(中山道・下諏訪宿))
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/53/64bef367954b7a5c8442ba612bbc72ef.jpg)
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