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(写真は、福島宿の上の段地区)
福島宿は、戦国時代に木曽氏の城下町として発展しました。
江戸時代になると、福島関所が設けられ、碓氷関所とともに江戸防衛の重要な拠点となりました。
福島宿の中でも、特に「上の段」と呼ばれている地区には、江戸時代の雰囲気が強く残っています。
福島宿の入口である巨大な「冠木(かぶき)門」の先の左側の細い道を上がると福島関所跡です。
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旧中山道は、左右の山に挟まれた木曽川の流れの上にあり、他に抜ける道がありません。
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両側から山が迫る木曽川の断崖の上に、”入り鉄砲に出女”を厳しく取り締る福島関所があります。
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福島の関所跡に入ると、関所の建物があったとされる場所に、「東門跡」「番所跡」「西門跡」の石碑が置かれています。
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この石碑の奥に、関所資料館として番所の建物が復元されています。(入場料300円)
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夜明け前 (第1部 上) (新潮文庫) |
島崎 藤村 | |
新潮社 |
島崎藤村の「夜明け前」では、福島関所の様子を下記の様に描いています。
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そこは、西の門から東の門まで1町ほどの広さがある。
一方は傾斜の急な山林により、一方は木曽川の断崖に臨んだ位置にある。
山村甚兵衛代理格の奉行、加番の給人等が四人も調べ所の正面に控えて、その側には足軽が二人ずつ詰めていた。
西に一人、東に二人の番人が更にその要害の好い門の側を固めていた。
半蔵等は門内に敷いてある米石を踏んで行って、先着の旅行者達が取調べの済むまで待った。
半蔵等はかなりの時をまった。・・・・・・
半蔵等の順番が来た。
調べ所の壁に掛かる突棒、さす又なぞのいかめしく眼につくところで、階段の下に手をついて、かねて用意して来た手形を役人達の前にささげるだけで済んだ。
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(関所全景ジオラマ)
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上番所、下番所、台所などが復元されています。
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先ほどの島崎藤村の「夜明け前」の文章を彷彿とさせます。
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上番所では通行手形の発行者印の照合をしていました。
地元の女性でも、関所を通る際には、木製の「日帰り女手形」が必要でした。
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更に、住民が遠出をする場合は、山村家の家老に宛てた庄屋の証文が必要でした。
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上の写真は、「美濃国入女手形」です。
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広重の浮世絵「福し満(ふくしま)宿」は、 検問を終えて出てきた武士と飛脚が、これから向かう旅人とすれ違うところです。
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画面の奥には、土下座をして、検問を受けている旅人がいます。
福島関所跡の隣が、「高瀬家資料館」で、島崎藤村の「家」のモデルとなった「高瀬家」です。
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高瀬家は、木曽福島関所の代官だった山村氏に仕えていましたが、島崎藤村の姉の園(その)が嫁いでいます。
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園は、「夜明け前」では、お粂(くめ)として、「家」では、お種として登場します。
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資料館には、藤村の手紙、軸、遺品類などの他、当家に伝わる兵法書などが展示されています。
高瀬家の入口から見下ろすと、国道に並行して流れる木曽川、そして川に沿って広がる木曽福島の町を一望することが出来ます。
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高瀬家の前の急な石段を降りて街道に戻り、木曽川に架かる関所橋を渡り、緩やかな坂道を上り、突き当たりを右折すると直ぐに興禅寺があります。
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興禅寺には木曽義仲のお墓があるということなので、お参りしようと、お墓を目指して、どんどんお寺の奥へ進んでゆきます。
昇竜の庭、須弥山の庭園を抜けて宝物殿に入ります。
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宝物殿(500円)では、現代絵画を中心に展示されており、木曽義仲関連のものは何も見当たりません・・・
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がっかり、500円払ったのに・・・
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宝物殿を出て、立派な枯山水の看雲庭を見ながら、義仲の廟所へ向います。
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寺の裏門からいったん外に出ると、左奥に「木曽義仲の墓」がありました
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丁寧にお参りします!
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興禅寺を出て、関所橋に戻り、旧街道沿いに歩いてゆくと、木曽福島支所の前に「本陣跡」の石碑がありました。
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木曽福島支所の前の道を直進し、大手橋を渡ると、その先に「山村代官屋敷跡」があります。
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説明のおじさんが、熱弁をふるって詳しく、建物の中を説明してくれます。
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山村氏は、戦国大名・木曽氏の旧臣で、関ヶ原の功労により、木曽代官を命じられ、同時に福島関所を預りました。
山村氏は、後に木曽福島が尾張藩の管轄下になってからも、7,500石を与えられ、引き続き関所の管理を任されたそうです。
山村氏の上屋敷の敷地は広大で、今は、大部分は隣の小学校になっています。
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ここ「山村代官屋敷跡」は、当時の上屋敷の敷地のほんの一部だそうです。
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上の写真は、当時の日記から再現された、山村代官の上司である尾張藩主への饗応料理です。
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(書院造りの座敷)
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上の写真の屋敷内の「お末社様」には、ご神体として、
何と!
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本物のキツネのミイラが祀られており、そのミイラを見る事が出来ます。
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気味悪い~・・・
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屋敷の解体修理のときに出てきたキツネのミイラを、そのまま祀ってあるのだそうです。
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代官屋敷跡を出て、大手橋を渡り、木曽福島支所の前に戻ります。
旧中山道は、この木曽福島支所の少し先で左折し、宿場の桝形の坂を上ってゆきます。
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その坂の途中に写真の「高札場跡」が復元されています。
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高札場跡で左折すると、道の両側は、福島宿の面影を濃く残す風情ある町並ですが、甘味処や飛騨牛のレストラン等の営業をしており楽しそうです。
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チラッと飛騨牛のステーキを横目で睨んで・・・
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美味しそう! ジュるるる・・、でも高そうなので我慢・・・
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この辺りは、「上の段(うえのだん)」と呼ばれる地区で、木曽義昌の居城「上之段城」があった場所だそうです。
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また上の段の通りからは、趣きのある小路が色々とあるので、この辺りの小路散策も楽しそうです。
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道の左側は、水場に流れる水流が音を立てて流れています。
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また、なまこ壁の奥を覗くと、代官の山村良勝が創建したという智勝山大通寺の山門が奥の方に見えます。
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町並みは、左に坂を下って、中八沢橋を渡り、旧国道に合流して、JR木曽福島駅前へと向かっています。
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今晩の宿は、このJR木曽福島駅前へと向かう途中の写真の萬蔵の宿「むらちや」です。
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木曽福島は観光地のため、旅館やホテルは値段が高いので、今晩は、素泊まり(朝食付で5,620円)にします。
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夕食をとるために外出し、上の段の夜景をブラブラします。
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幻想的で趣きがあります。
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夜の福島宿は、街道の脇を流れる水のせせらぎの音だけが響きわたります。
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上の段のを下りる坂の途中にある下の写真の居酒屋「たちばな」に入ります。
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お薦めは、岩魚(いわな)料理とのことなので、若女将に岩魚のから揚げを注文します。
活きた岩魚を料理してくれます。
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生臭さがなくて、ふっくらとしていて美味しい!
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あまりに美味しかったので、岩魚の塩焼も注文します。
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ふっくらとして美味い!
子持ち岩魚の卵の料理も頂きます。
うん~、珍味!
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ご主人と、熊出没の話題になります。
”熊を麻酔銃で捕えても、直ぐに山に帰してしまうから、人を怖がらなくなってしまった。射殺すべきだ。”
”なるほど。”
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居酒屋「たちばな」は、木曽福島観光の際は、岩魚料理のお薦めの食事処です。
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(生ビール2杯、焼酎1杯、岩魚のから揚げと塩焼、魚の卵の料理、その他のツマミ類などで合計4,800円)
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木曽福島宿から次の上松宿までは、約10キロです。
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