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多摩川を歩く (その32)(二子玉川A:五島美術館)  2022.9.25




(五島美術館)


 

前回は、昔住んでいた懐かしい二子玉川駅の東側を散策しました。

楽天本社や二子玉川ライズが新たに建っていて、昔住んでいた懐かしい街は、急変貌を遂げ、影も形も無くなっているのに大きなショックを受けました。

今回は、この楽天本社の近くにある、昔訪れたことのある「五島美術館」へ向かいます。



前回ご案内した上の写真の「旧清水家住宅書院」の出口の前にある、下の写真の「上野毛通り」を歩いて行きます。











上野毛通りの急な上り坂を歩いて行き、上の写真の角を左折した先に下の写真の「五島美術館」があります。



源氏物語絵巻(国宝)を保有していることで有名な「五島美術館」は、東急グループの創設者である「五島慶太」邸の敷地の一部に建てられています。



五島美術館の隣には、上下の写真の様に、この「五島慶太」邸の広大な邸宅があります。





現在は、写真の様に「五島慶太」氏の子息の「五島昇」氏(東急グループ会長)の表札が出ています。



(五島慶太:「五島慶太未来創造館」のパンフレットから)

「五島慶太」は、東急電鉄の創業者で、東急グループの総帥として君臨しました。

昭和2年、彼は武蔵電気鉄道(現在の東急東横線)の経営権を獲得します。

彼は、その後、京浜電気鉄道(現在の京浜急行電鉄)、小田急電鉄、京王電気軌道(現在の京王電鉄)を次々に合併しました。

この様にして、東急、京急、小田急、京王などの首都圏の主な鉄道は、「大東急」と呼ばれる五島慶太の巨大な電鉄会社に吸収されてしまいました!

資金力にものを言わせて他社の鉄道を飲み込んだため、世間では「強盗慶太」と揶揄されました。

終戦後は、公職追放となり、吸収合併した会社も企業分割されて、現在のような鉄道各社になりました。



「五島美術館」に入ります。

(入館料1,000円、月曜休館)



(入場券)







「五島慶太」は、熱心な古美術品コレクターとしても知られ、展示品の中には国宝の源氏物語絵巻や、紫式部日記絵巻のほか、重要文化財も多くあります。



建物内は撮影不可です。



(ポスター)

五島美術館では、「特別展 西行 語り継がれる漂泊の歌詠み」が開催中でした。

「西行」をテーマとした古筆・絵画・書物・工芸など国宝4件、重要文化財20件を含む名品約100点が展示されていました。

特に、西行が煩悩を絶つために自分の幼い娘を庭へ蹴落とす場面などの絵が印象的でした。

また、西行が鳥羽殿で出家の決意を上奏する場面が描かれた現存最古の「西行物語絵巻」(重文)もありました。

(いずれも撮影禁止)



(重文「木造愛染明王坐像」:美術館販売の絵ハガキから)



(「黄瀬戸茶碗・銘柳かげ」:美術館販売の絵ハガキから)



(「唐物肩衝茶入・銘安国寺」:美術館販売の絵ハガキから)



美術館はそれほど広くありませんが、建物の裏側には6000坪もの広い庭園があります。



この庭園は、多摩川が武蔵野台地を浸食してできた国分寺崖線上の傾斜地です。 





庭園には、小川や池があり、様々な種類の石灯籠、大日如来、六地蔵などが点在します。 























庭園内には、昨年の大河ドラマの「北条時政」の城跡もありました。

驚き!

(「北条時政」については、「大河ドラマ館:小栗旬の鎌倉殿の13人@」「同左A」を見てね。)   

             











上の写真は、庭園の敷地内にある「稲荷丸古墳」です。







 

(直接五島美術館に行く場合は、最寄駅の東急大井町線・上野毛駅が便利です。)