vol 343:愛の力






俺は肉体からまた離れた。

サタンに抱き上げられ天界の神の元へと移動する。

天界の神は両手を地面へと置きエネルギーを与えていて、

俺達に気付くと振り返り、

(…我が子よ。)

サタンは俺をそっと天界の神に手渡した。

俺は小さな光になっていて、

神は光になった俺を大事そうに両手で包む。

(無茶をして…これ程までに。)

パパは涙をこぼし、

その涙が俺を濡らす。

「パパ…パパ…。」

(話さずとも良い。お前の心は解る。
お前の愛をしかと感じた。)

パパは俺の愛の深さを感じ、

俺のエネルギーではなく、

俺の愛情で力を得ていく。

(ルシファーよ…そなたの愛も感じておる。)

俺にパパはそれこそ愛のエネルギーを与え、

光の玉だった俺は元の形となりパパを抱きしめた。

パパはサタンを手招きして呼び、

サタンが近づと、もう片方の手でサタンと俺を強く抱きしめる。

サタンは目を見開き、

「天界の神…貴方は変わられた。」

(そうかもしれん。我が子たちに変えられたのだ。
ルシファー、そしてカン。)

まだ、何も終わってない。

地球が救われたわけでも、

闇の者もサタンを別として動いてる。

人も何も変わってない。

人はまだ内戦や戦争をやめようともせん。

このままやと、

荒れた時代が人の世にどんどん押し迫ってくるやろう。

「パパ…。」

パパは俺に笑んで頷いた。

(二人共、行くが良い。
二人の愛でまた力を得た。
さぁ、行って指示を待つのだ。
主が動きだすであろう。)

俺もサタンもパパに頷き、

それぞれの肉体へと戻る。

目を開けると天井が見え、

横を向くと大樹はまだ寝てた。

愛が力の神の子。

大樹に抱きつく。

「ん…ん?カン?。」

「体どない?。」

大樹は俺を抱きしめ、

「清々しくはないね。
夢を見てた。
蛇の国で初めてカンを見た時の夢。
不思議な子だと、友達になりたくて。」

「…友達以上やけどな。」

一時の戦いが終わった後の甘い時間。

何もかも忘れて、

少しゆっくりしたいと初めて思った瞬間でもあった。




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