vol 337:智






肉体に戻って目を開けると、

薬師如来が居て、。

「薬師?。」

(気がついたか。もう少しで終わる故、
待ってくれ。)

弥勒や大樹はまだ目を覚まさず、

薬師はみんなの体にエネルギーを送り治療してた。

(カンよ、お前は全てにおいて強い。
皆はまだ目を覚まさぬというのに、
お前は私がまだ何もしていなくても、
目覚める事が出来た。)

俺は天井を見つめて顔を緩ませる。

「まだまだ死ぬなっちゅー事やな。
なに?大日に言われて来たん?。」

(こうなる事は多少予想出来ていたみたいだ。
上では弟子たちが頑張ってくれている。)

「そうなんや。」

(上手く行きそうか?。)

「多分。・・・上手く行ってもらわな困るし。」

薬師に向いて体を横向きに寝返させる。

体はどこもかしこも痛い。

(カン、まだ動くでない。
いくら皆よりも気力が強いとはいえ、
魂は深手を負っている。)

「弥勒とか大樹もシロも大丈夫そうなん?。」

(エネルギーが足らぬだけで魂の傷は軽いんでな。
お前よりも軽傷にすぎん。
エネルギーが溜まれば直に目を覚ますであろう。)

外ではやっぱり雷の音が聞こえる。

こんな寝とる場合やないのに。











(冥王星の神・・・。)

大日と阿弥陀はまだ冥王星の神の元に居た。

(大日如来よ。お前の事だ。
段取りも考えてあるのであろう。)

(・・・勿論。
手を貸していただけるのであれば、
まずは他の星の神々の所に出向き、
我々の想いと同じかどうか聞くのです。
これは、貴方が真の善の立場であると言う示しにもなります。
皆の意見が揃っていれば、
火星の神も冥王星の神も、
何も言えない。
我々を敵にまわすほど、彼らも愚かではない。)

(・・・想いが同じだという確信はあるのか。)

(ありますとも。
負けが見えている事であれば、
貴方を巻き込むような事もしません。
私もまた、愚かではないのです。)

冥王星の神は大日如来の態度と言葉に呆気をとられ、

(ハッハッハッハ!智の最高神。
お前には我でも頭が上がらぬ。)

大日如来は笑んで頭を下げた。

(ですが、どうするのでしょう。
他の星の神々の元へ、カンたちも連れて行くおつもりですか?。)

阿弥陀からの質問に大日は頷き、

(カンも弥勒も大樹もシロも、
地球の生き物。
あの世で生まれていたとしても、
蛇であったとしても、
まぎれもなく、地球の神の生き物です。
彼らを皆に見せる意味は多いにある。)

阿弥陀は小さく頷いた。

(では!まいろうではないか!。)

立ちあがった冥王星の神に大日は眉を下げ、

(お待ちください。
カンたちは貴方でかなりの負傷を。
今、薬師如来が治療を。)

(何を。カン以外はエネルギー不足なだけであろう。
我のエネルギーを与えれば、
今までよりも気力が強くなる。
他の星に連れて行くならば、
それぞれのエネルギーに耐える魂になってもらわぬとな。)

そして、俺の部屋に冥王星の神が現れると、

部屋は一気に重力がかかり、

寝ているはずの大樹たちの顔はクシャリと歪んで、

俺は全骨が潰れるんやないかって思うくらいに、

薬師も慣れてないのか、

両手を床につけて体を震わせた。

(カンよ!治しに来てやった!。)

大声で笑顔で言う冥王星の神に俺は。

「治るどころか、死ぬわボケぇー!!!!!!。」

叫ぶしかなかった。




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