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vol 335:善悪
(カンはもう経験しているので大丈夫でしょう。
弥勒、大樹、シロ、力を体中に入れて踏ん張りなさい。)
阿弥陀が3人に言う。
(では。)
3人は意味が解らずにいると、大日が呟き目を閉じた瞬間、
俺達に一気に重力が押し寄せた。
「くぁ!。」
俺は両手に握りこぶしを作って踏ん張る事が出来るものの、
弥勒と大樹、シロは地面に崩れ、
「っ・・・はっ!。」
言葉も出ん。
(これはどういうつもりだ!。)
大きな椅子に座る大きな冥王星の神は、
みんなで現れた事に目を見開き顔を顰めた。
大日は前に出て、
(冥王星の神、神々の最高神。
貴方にどうしても力を借りたい。)
大日如来の言葉に冥王星の神は、
怒りに満ちた顔をして大きな手を横に勢い良く振る。
するともの凄い風圧が俺達に襲いかかり、
阿弥陀も大日も当然俺達も飛ばされ、
壁に強打した。
冥王星の神は立ち上がり、
(血迷うたか大日如来よ。
我は中立だと言ったはず。
そち等に手を貸す事は出来ないと。
これは我への冒涜にすぎん!。)
阿弥陀はゆっくりと立ち上がり、
(いいえ。それは違います。
我々は貴方を頼って最善を考えて参ったのです。)
「いったぁ~・・・。」
俺は腹を直撃して激痛に耐えながら、
床に両手両膝をついて起き上がった。
「な・・・んで、なんで・・・話も聞かんとこないな事、。」
大日如来が俺の腕を掴んで立つ手助けをしてくれた。
「話もなんも聞いてもないのに、
血迷うたかはこっちのセリフじゃ!。」
俺は冥王星の神に激怒して叫んだ。
(何を?!。)
そんな俺の態度に冥王星の神も激怒している様子。
(カン、落ちつきないさい!。)
阿弥陀は俺にそう言うけど、
「落ちついてなんかいられるか!
中立中立って、なんやねん!
しかも、なんで吹っ飛ばす必要があるねん!。」
大日如来は俺から離れて阿弥陀の横に立ち、
俺を止めようとする阿弥陀に顔を左右に振ってみせた。
(ヌヌヌヌ・・・生意気な地球の神の子め。
我のこの場所がどれ程の場所か解っておらぬのか!
ぬしらが気軽に踏み込めるような場所ではないわっ!。)
俺は重力で重く、打撃で痛みばかりの体で、
重く痛い足を一歩一歩出して冥王星の神へと近付いた。
「カ・・・ン・・・。」
痛々しい大樹が俺の名を呼んで俺を苦しそうな顔で見る視線を感じる。
「ハハ・・・なんで?
アンタは神さんの中でも最高神かもしれんけど、
そんなもん、知るか。
自分らは・・・自分らはなんも悪い事してへん!
シロも大樹も弥勒も皆、
アンタと同じ命や!。」
(黙れ!小娘が!。)
冥王星の神は俺に向かってまた、手を振り払い、
俺の体は壁へと打ちつけられた。
「っあ!。」
(この様な馬鹿げた判断をするとは。
大日如来よ、お前は大きな大罪を犯した。
審判にかけ宇宙の神と言う名を無くすが良い。)
(その様な名、わたしは元より要らぬ。
もう貴方がたの地位だけのプライドなど、
わたしには何の意味もない。)
(クッ!まだ我を侮辱する気か!。)
俺は意識が肉体へと吸い込まれそうになる中で、
必死にそれを食い止めようと今の状態に意識を集中し、
ガクガクと震える体に力を入れる。
やっと起こせたのは頭だけで、
顔をあげて冥王星の神を睨みつけた。
「笑わせるな・・・。
善悪の判断に長けてる神が、
なんも善悪の判断が出来てないやないか。」
床に爪をたてて這って冥王星の神へと向かう。
(地球の神の子、カンよ。
お前は塵になりたいのか?。)
自分にまだ歯向かう俺に冥王星の神は俺の体を掴み上げた。
(カン!おやめください!。)
阿弥陀は必死な声を上げる。
「ハハ・・・ここで塵になる運命なんやったら、
そんでえぇよ。
間違ってない。
間違った事なんもしてない!。」
(・・・。)
「や・・・めろ、。」
「クゥゥゥゥ!。」
「カァ~~~ン!。」
弥勒、シロ、大樹がそれぞれに声を上げながら、
這いだした。
大樹が叫ぶ。
「カンを塵にするなら!俺も塵にしろ!。」
シロも。
「その子は我らの希望・・・我らの光。
我ら蛇を綺麗だと言う、その子こそ平等の神。
その神を悪とみなし塵にするのであれば!
我らも共に塵にしろっ!。」
そして弥勒も。
「こんなの・・・おかしいよ・・・。
・・・俺たちはただ、命を守りたいだけなのに、。」
阿弥陀が冥王星の神に膝間づいて両手を胸の前で合わせた。
(冥王星の神よ。これが善なのですか?
我々はただ、力で捩じ伏せ、多くの者の心の痛みを感じ、
戦わずに話し合う事で道を広げようと試み、
貴方に話をしに来た。
それだけなのです。
最高神の貴方にすら、この想いは通じぬのですか?
ならば・・・私もカン同様に塵にしてください。
神や仏など要らぬ!。)
大日如来は笑みを浮かべ、
(この我らの一つの想い。
塵にするが良い。
それが善悪を司る最高神の善なのであるならば。)
冥王星の神は掴み上げた俺の顔を見た。
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