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vol 334:万が一の確率を求めて
(それでは行きますか。)
阿弥陀如来、大日如来に弥勒に大樹、
そして俺。
時間は全然余裕もないしで冥王星の神に会いに行く事に。
「ちょっと、待って。」
俺は行こうとする皆を止めた。
「どうしたの?カン。」
「いやぁ・・・やっぱ連れて来る。」
「誰をだ?。」
大樹も弥勒も不思議そうな顔をした。
「シロや。」
「シロ?。」
「うん。俺ら3人が揃って行くんやもん。
ここにシロもおらなシックリこん。」
阿弥陀と大日に視線を送ると、
二人とも頷いてみせた。
全員で冥王星の神の元に行く前に、
シロの元に向かった。
「カン、兄様。弥勒も?。」
現れた俺達に驚き、弥勒には更に驚いた様子。
事情を説明していると、シロは浮かない顔を見せる。
「どないした?。」
シロは哀しげな顔をして、
「カン、我にはまだ、やはり人間が必要なのかが解らぬ。」
シロは自分が見た光景を俺たちに聞かせた。
大樹は唇を噛み締め、
きっと弟の辛さを自分も感じとったんやろう。
弥勒は俯いて、
「シロ・・・もう人間だけの問題でもない。
冥王星の神の元に行くのは、
他の星の聖戦に参加させられている者も、
皆が皆・・・戦など望んでいないからだ。
脅えの中で必死に命令で戦ってる。」
「だが、話をしに行ってどうなると言う。
話で纏まるのであれば、
この様な事にはなってない。」
やっぱり、その意見か。
でも、この意見こそが本来普通の常識なんや。
「ほら!やってみな解らんやん!
それに、俺らはなんも人間だけを助けたいわけやないやろ?
生きてる命、全てや。」
悩み、考えてたって何も解決もせん。
解決出来ん事であっても、
それに対して動く事に意味があって、
万が一の確率でも、
解決出来るかもしれん。
そこが重要なんや。
阿弥陀と大日は何も口出しはせんかった。
シロは少し間をあけてから頷き、
荼枳尼に一人で戻るまで続きをするよう伝え、
俺達と一緒に行く事を決めた。
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