vol 328:闇の祈り






人間に祈る事を再び教え、

祈りを誰に捧げるかも教え。

僕も神の力がなくなるまで一人祈りを捧げた。

悪を生み、

悪を行っていた僕の祈りが神の力になるかどうかは不明。

でも、無いよりはマシだろうと。

祈りを捧げている間、

僕の過去の事が浮かんでくる。

神様、神様って神にへばり付いていた幼い頃。

神を憎んだ頃。

泣いた頃。

全てがどうでも良く思いだした頃の僕。

「・・・神の力は尽きたね。」

大きな雷の音や、おかしな強風。

その現象が自然現象ではない事を気の流れで感じる。

祈る事をやめて窓に近づき空を見上げた。

キンキンと甲高い音。

それは剣と剣がぶつかり合う音に、

唸るような声。

空の彼方で聖戦が始まった証拠。

(ルシファーよ。)

フワリと穏やかな空気に変わるのを感じ、

声と共に後ろを振り返る。

「・・・父よ。」

そこには天界の神が立っていた。

(ありがとう。)

僕に眉を下げて笑んで礼を言う神に少し驚いた。

「いえ。僕の祈りなどなんの力にもならなかったでしょう。」

(お前は悪の力を持っているが、
それは悪ではなく、元は神の子の力。
お前は私が造りだした子なのだから。
罪深き力であろうと、
人から悪になった力とは真逆なのだ。)

後ろめたい気持ちと、二人の会話がぎこちない気持ち。

「此処に来られては困る。
僕は闇の王。闇の者に知られては、。」

神は笑んだ。

(案ずるな。
闇の国もこの地球に関わる全てのモノは、
私の手の中にある。
闇の者にも気付けまい。)

僕は壁に背を預け含み笑いをする。

「でも・・・おかしなもの。
今、悪魔と天使が手を組んで違う敵と戦ってる。
誰が想像出来る?
本来は悪魔と天使が戦う方がシックリくる。」

(ハハハハ!そうだな。
だが、これも運命と道なのだ。
神使い達は私の命令しか頭にない。
闇の者は私への憎しみしか頭にない。
人間などは生きる欲しか頭にないのだ。
根本を見出そうとする者など、
数限られておる。
それは神使いであってもな。)

「フフフ・・・そうですね。
聖戦には加わらないおつもりですか?。」

(私が加われば大きな問題になる。
それは海王星の神も同様。
海王星の神が出てこそ私が加わる事が出来るが、
海王星の神が出ず霊だけで戦わせるのであれば、
私も同じ行いで対応するしかない。)

「そうですか。」

昔の僕なら、これを聞いただけでも、

神に対してセコイとか思っていただろうね。

今じゃ、神が自由に動けない事や、

神々の国でも法律みたいなものでなりたっている事。

神は神で苦しみ歯を食いしばっている事が解る。

「僕は・・・今から加わろうと思ってます。
貴方に頂いた命なので。」

(ルシファーよ。お前の心に従え。
貰ったから動くのではなく。)

「フフ・・・心から想うから行くのです。
僕の性格は良くご存じでしょう?。」

僕は神に頭を下げ、ベッドに横たわった。

肉体を離れサタンとしての霊体で空高く舞いあがる。

(サタンダ!。)

(サタン様ガ来タ!。)

闇の者たちが僕を見て声を上げた。

「みんな待たせたねぇ。
さぁ、どんどん塵に変えようじゃない。」

(オォオオオオオオ!。)

カン、我が妹。

次は君の出番だよ?。

覚悟して。

この聖戦にも君の力がきっと必要となる。









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