vol 322:休戦と共に





(我が父よ・・・。)

(主か。)

私は父の元を訪ねました。

聖戦の前に伝えなければならない。

(準備はどうだ。)

(はい。天界の神々に天使、
黄泉の国の者達、全員準備は整いました。)

(そうか。)

父は頷きを見せる。

(ですが・・・足りません。
宇宙の神の力となれば、まだこの地球は若い。
霊達の知恵や力も不十分。)

(そうか・・・。
地球の花々や草木、虫、動物たちは、
わたしと一緒にエネルギーの膜を張る。
少しでも海王星の攻撃が弱まる時間稼ぎだ。
しかし、時間稼ぎにしかならんだろう。
大地はシロのおかげで力を蓄えだしておる。
それでも・・・攻撃に耐えられるかどうかだ。)

(はい。)

(守らねば。)

私の目には、カンやシロ、弥勒、大樹、

天界の者、黄泉の国の者たちが浮かぶ。

私たちの地球を守らなければ。

(主よ、人数が足りぬと言ったな。)

(そうです。)

(ついて来るが良い。)

父と共に向かった場所は以外な場所でした。

そこは闇の国。

地獄。

私は何も言わずについて行きました。

(グググググ・・・。)

私たちを見て四つん這いの悪魔たちが後退りをしながら睨んでいる。

人間となって地上に居るサタンが慌てて闇の世界に戻って来た。

(神・・・が此処にですか?。)

(ルシファーよ・・・。)

サタンは自分の国に初めて姿を現せた神に驚き、

闇の者たちは唸りながらも脅えたそぶりを見せた。

サタンは今や我々側についていると言っても過言ではない。

しかし、それを知る闇の者は誰ひとりとして居ないのだ。

それを知る事によって、

闇の者の反発は大きくなり、闇の世界が崩れてしまう。

(ルシファーよ、そなたに協定を持ちかけに来たのだ。)

(協定?。)

(さよう。闇の者を皆ここに集めてもらいたい。)

(・・・。)

サタンが目を閉じると、どんどん悪魔が集まり、

神の存在に皆、恐れを見せた。

(神ダ・・・。)

(グググググ・・・。)

(サタン様、何故!!!。)

悪魔たちのザワつきにサタンは顎を上げて神に反発の態度を見せ、

(さぁねぇ。でも、いいんじゃない?
神が僕達の国にいらっしゃった。
この素晴らしい国に。)

(グヘへへへへ・・・。)

サタンの小馬鹿にした言葉で悪魔たちは脅えを笑いに変える。

(それで?何の用です?主まで引き連れて、
ただ見物に来たわけでもないでしょう。)

(そなたらも欲しがっている地上に終わりが訪れようとしている。)

(終ワリ?。)

(オワリ・・・。)

(今までは我ら天界とそなたら闇が、
人間と人の住む地上の支配下を廻り戦って来た。
だが、他に敵が出来たというわけだ。)

(宇宙からの侵略者の事か。
それは我々、闇の者も承知している。)

(ソウダソウダ!我ラノ仲間!。)

(仲間?。)

神は悪魔の声に高らかに笑う。

(ハッハッハッハ!!!!仲間か!!!
そなたらが手に入れたいモノを塵に変える者が仲間だと言うのか!。)

地獄の者ほど、甘い言葉に弱い者はいない。

ここで甘さにも唯一つられないのがサタン。

しかしサタンは闇の者の手前、わざと今までと同じ態度を取っている。

(よいか。宇宙の神は人間を滅ぼし、
地球を此処のようにするだけではなく、
そなたらも存在出来ない場所にしようとしている。
地球がなくなれば、
もう黄泉の国、天界、地獄しか存在しなくなるのだ。
そうなれば、一生そなたらはこの地獄で、
外に出られず暮らす事となろう。)

悪魔は再び脅えた顔をし、

後退りし騒ぎだした。

サタンは目を細めて神を見、

(それは困る。僕達は人間界を手に入れたい。
やっと闇の者も易々と人間界に姿を現せられるようになったというのに。)

(そこで、協定を申し出に来たのだ。
天界と闇との問題は休戦とし、
そなたらも欲している地球を守らねばならぬはず。
敵は我らと同じ。)

(手を組めと言う事・・・。)

(そうだ。そなたらだけでは到底敵う敵ではない。
だが、我々と共に戦えば地球を守る事は出来る。)

(・・・。)

サタンは考える素振りを見せ、

悪魔たちに視線を向けた。

(宇宙の神々の侵略は大きなもの。
人間が死ぬのは心地良いが、僕たちは苦しめて殺したい。
違うかい?。)

(ソウダ・・・。)

(苦シメル・・・。)

(そう。でも、宇宙の神々の力なら苦しむどころか、
一瞬で灰になる。
それに、人間を奴隷にし、
僕達の国にすることが僕達の目的。
このままじゃ、僕達に得はないよねぇ。)

サタンは皆に言い、神に堂々と近づき、

(いいでしょう。僕達は僕達の為に戦う。
戦いの最中、天界、黄泉の国の者に一切手出しはしない。
もしも、手出しをする者が居れば、
その者は契約違反とみなし塵に。
天界も地獄も契約は絶対のもの。)

サタンはフッと神と私にはにかんで、

悪魔に指示を与えた。

(戦う準備をし、向かう事に。)

悪魔たちはサタンの言葉に頷きを見せ、

ゾロゾロと散らばって行った。

父はサタンに目配せをして私に振り向き、

(さぁ、我らもまいろう。)

海王星の神は既に地球の真上に君臨し、

攻撃を開始したのです。







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