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vol 320:不安なままの行動
戦死者の件で、防空壕に行くのかどうか迷ってた俺と大樹。
ネットで調べても、心霊スポットで有名なものの、
これといって戦死者に繋がる霊的な情報はなかった。
行くか行くまいか迷ってたら、
一人の霊が来る。
兵隊の格好をした霊や。
話を聞くと、やっぱり俺らが見つけた防空壕の死者やと言う。
「せやけど・・・そこは爆撃とか受けてないやろ。」
その防空壕は 本土決戦を目前にした陸軍が航空部隊・航空総軍の、
戦闘司令所として建設されたもので使わないまま、
戦争は終わった。
(あの場所は広く、労働も過酷なものだった。
爆撃で死ななくても、過労や反逆で死ぬ。)
大樹と俺は目を合わす。
(お願いします!我々は成仏したい!
でも・・・どうしても出来ない。)
成仏する方法は決まって、本人次第。
その場所に居る事が無意味やと気付き、
迎えに来たあの世の者を信じて共に行くこと。
(死んだ人間だと思いたくないんです・・・。
死んだ人にいろいろ話をされていても、
我々はやはり生きている我々と同じ人間に解ってもらいたい。
自分たちが此処にまだ居て、
戦争という中で死んだ気持ちを。)
「大樹、どう思う?。」
「気持ちはとても解るよ。
俺たちが行って何が出来るか解らないし、
逆に今の時代の俺達の言葉で、
皆さんが心を動かされるのも難しいんじゃないかとも思う。
経験していない俺達に実際の貴方方の当時の気持ちを、
解る方がおかしいから。
無駄足になりかねないけど、
それでも良いなら・・・。」
戦死者の霊は大樹の話に顔を縦に振って頷いた。
「わかった。ほんなら、明日行く。
でも、調べたら防空壕の位置はようわからんし、
森の中の獣道とか、
ちゃんとした位置がつかめへん。
案内してくれるんやろうけど、
その場所までは成仏してしまったら帰りに困る。
近くで呼び出す形でえぇよな?。」
俺の問いかけに対しても戦死者は納得した。
戦死者が消えると、
俺は戦死者よりも呼んでいた女の霊が頭にこびりつく。
「戦死者よりも、他の霊がどうなんやろ。
みんなも期待して集まって来るんちゃうやろか。」
「普通に考えたら、その線は大きいよね。
俺らだけじゃなく、
人数に備えてあの世の神にも来てもらった方が良いのかも。」
「あの世は今、聖戦や言うとるやん。
来れんやろ・・・。」
とにかく、行ってみるしかない。
行ってみてからの状況判断になった。
当日は朝から行く事にして、
途中のコンビニで団子を購入。
団子は皆に食べてもらうためや。
車で1時間ほど走った場所にハイキングコースとしての、
駐車場があって、そこに車を駐車した。
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