vol 307:手段






リヒトから全ての事情を聞いた。

どんな組織があって、

今までどんな事をし、

何を信じてたんか。

「その友達が捕まってるわけやな。」

「無実の罪を背負わされ時期に殺される。
火あぶりにされて、。」

「っ・・・。」

俺達は絶句した。

「裏切り者への刑は罪が重いから、
一番の苦痛で殺される。」

暫く全員が黙り込み、

そんな事を聞いてほっとけるわけがない。

「助けに行こ。」

大樹が俺の腕を掴んだ。

「助けるってどうやって!
生身の人間の僕たちに映画みたいな事は出来ないんだよ?。」

弥勒は黙ってる。

リヒトも。

「せやけど、このままやったら死んでしまう!
それ解っててほっとけるんか?!。」

何の策もないけど、

助ける方法よりも助ける前提が今は欲しくて、

俺は声を張り上げた。

大樹は黙りながら俺の手を握る。

弥勒が口を開き、

「俺達じゃ、無茶をするか何も出来ないかのどっちかだ。
主に聞いた方が答えがあるかもしれない。」

「主?。」

リヒトは弥勒の言葉の主に反応を示す。

誰の事を言っているのか解るからや。

でも、リヒトにすれば自分が信仰してた神。

「神に何度も答えを求めたが返事はない。」

「弥勒、リヒトも一緒に連れて行けるか?。」

大樹がその答えを出す。

「魂を俺達が引っ張りだしてあげれば連れて行けると思うよ。」

俺は大樹に顔を向けて頷いて見せた。

リヒトは良く解ってへん様子で、

「私に死ねと言うのか?。」

弥勒は真顔でリヒトを見て、

「いいや。ただ、少しの間、肉体から離れるだけだ。
お前が友人を助けたいと心から思うなら、
今は俺達の事を信じるしかない。」

リヒトは疑っているものの、

手段もない為、俺達の言う事に従って横になる。

4人とも横になり、

俺や大樹、弥勒は肉体を離れた。

リヒトの腕を掴み、実際は霊体の方で、

彼を引っ張りだす。

着物姿の大樹と弥勒に、

女の俺を見て目を見開き、

その後、自分の横たわる姿を見ては口に手を当てて驚き。

「これは一体・・・私は、。
いや、だが!死んでも形はないはず!。」

「それは主が天に召される以前の話だよ。
主の命と共に人間は死んでも形が出来るようになったんだ。」

大樹が説明をして、

「まー、死んでへんけどな!。」

俺が口を挟む。

女の俺を見ては、

「君は・・・。」

「人間では男やけど、魂は女やねん。」

「カン?。」

俺はコクコクと頷いて、

「自己紹介してる時間はないぞ。
カン。」

「ん。」

弥勒の言葉と共に俺は自分の光になってリヒトを包み込み、

天界の主の元へと昇った。












                307      次のページ









306話に戻る
戻る

花手毬