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vol 304:身代わり
数週間が経った。
「カン?。」
「んぁ?。」
「・・・リヒト君に連絡がつかないの?。」
「うん・・・。」
心配で仕方なく、何度も携帯に電話をかけたけど、
留守電に切り替わる。
久々の自宅でくつろいでた。
「お母さんの容体、良くないんやろか・・・。」
「彼、良い人だから。」
インターホンが鳴る。
大樹が玄関に向かうと、
「リヒトく・・・、。」
荒く歩く音が聞こえて、その違和感に気付いた時、
俺に馬乗りになって俺の首を絞めるリヒト君が居た。
目を見開き、別人の顔で。
『何故です!!!!ガブリエルが密告者など有り得ません!
私は一切、彼に連絡などしていない!!!。』
『ミカエルよ・・・なぜ戻って来たのだ。
役目は果たしたのか。』
『我が友が有り得もしない事で殺されかけている!
その状況を捨てて役目など、。』
『お前は何を言っている。
お前は役目の為に存在する大天使ミカエルの子。
何故そのような事を申しておるのだ。
お前の友は選ばれた者。』
『選ばれた?。』
『そう。裏切り者として選ばれたのだ。』
私には全てが理解できなかった。
『それは一体・・・。』
『お前から気付かれているかもしれないと連絡があった事は、
一部の者しか知らない。
しかし・・・その一部の者は知ったという事。
実際に裏切り者を探すのは時間もかかる。
私だけが、お前の言葉を知っていたら、
様子を見るが、
私以外の者が知っているというだけで、
即行動し犯人を見つけねばならん。』
『何故・・・ガブリエルなのです。』
『そういう時の為に、彼の名は悔い改められた。
ガブリエルと。』
『まさか・・・ガブリエル、
アーダムが犯人じゃないと知っていて。』
『穏便に事を済ませるには、
犠牲者は時に必要なのだ。
ガブリエルは神に疑問を持ち堕天使になりかけた天使。』
『アーダムは!アーダムは神に疑問など持っていない!。』
『だが、彼は天命を受けたのだ。
ガブリエルと言う名を授かった。
神の子、我らの信仰を妨げないようにするのが、
アーダムの役目。』
『そんな・・・では、彼は無実の罪で死ぬのが役目だと言うのですか。』
『まぁ、その前にカンが死ねば、
アーダムが死ぬ意味はなくなるが。』
『・・・。』
「っ・・・く、。」
息が出来へん。
リヒト君の首を絞める腕を掴む。
「な!おい!。」
大樹がリヒト君を後ろから掴んで首の手が離れた。
「カハっ!・・・な、んや・・・。」
リヒト君はナイフと取り出すと邪魔をする大樹目がけて振りおろし、
大樹はクッションなどを使って、
うまく交わし、その光景に俺は何が起ってるんかわからんかった。
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