vol 292:大晦日






12月31日大晦日。

弥勒やシロと出会って2回目の年越しになる。

でも、今年は大樹と二人になりそうや。

しかも、仕事をしながら。

ドキュメンタリードラマの撮影が進みだした。

日本での撮影は終わって、

主人公が海外へ行く。

飛行機の中、一般客も乗車している中で、

カメラが回ってる。

セリフは後でアフレコでの付け足し。

ただ、無言で本を読んだり。

カメラはずっと回っているわけでもなく、

少し回すと、そのシーンは終わる。

隣に大樹が座り、

「他のお客さんがいるから気を使うね。」

やわい笑みで俺にコーヒーをくれた。

「なんやジロジロ見られたわ。
31日は飛行機の中ってな。」

「休みも何もない正月だけど、
俺はカンと居られればそれでいいよ。」

相変わらず恥ずかしい事をサラっと言う。

「弥勒やシロも帰って来れそうにないね・・・。
きっと、いろいろ悩んでるだろうに。」

「せやな・・・。
せやけど、こなすしかないんやし。
諦めるような奴らでもないよ。」

大樹は眉を下げて笑んだ。

「しかし、正月は新年の年や。
4人で祝いたかったなぁ~。」

「ねぇカン。少し時間が出来た時にでも、
改めて4人でお祝いしようよ?。」

「せやな。正月過ぎてたって関係ないし。」

大樹と大晦日は飛行機の中で過ごした。









(どうした?シロ。)

「いや・・・。」

12月31日の大晦日。

我は 荼枳尼と共に屍を土に還している。

もう日も経った動物の死体。

「荼枳尼よ。人の世では今日は大晦日。
新たな年を迎える日。」

(我らには関係のない事。
それは人が作ったもの。)

「そうだな。でも、新たな年を迎えるにあたって、
身の回りを清め、新年を祝うことは、
悪い事ではない。」

荼枳尼は我の言葉を聞いて顔を傾けた。

「解らぬか。それもまた良い。」

カン、弥勒、兄様。

新たな年、心は共に迎えよう。









「神変大菩薩!今人の世は何日だ?!。」

必死に山を下る。

(31日。大晦日だ。)

「ハァハァ・・・そっか!大晦日、か!。」

やはり、皆で過ごす事は出来なかったか。

あと数歩で、山の入り口。

降りる事が終わったとしても、

また新たな修行なんだろう。

この1年もいろいろな事があり、

重大な出来事ばかりだった。

人間には解らない神々の動きや闇の動き。

そして、地球の大きな変化。

カン、シロ、大樹、

頑張ってるか?。

「つ、着いた・・・。」

やっと山を降りた。

両膝に両手を乗せて背を丸め息を切らす。

「ハァハァ・・・神変大菩薩、次は何をする。」

(降りた直ぐにその質問とは関心した。
次は、山をまた登る。)

「はい?。」

カン、シロ、大樹・・・。

俺は頑張れそうか?。





それぞれの年を越す。

それでも思いは一つなんや。

これが俺たちと言う仲間。







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