vol 280:前兆






俺とサタンが生き返り、

その後、弥勒、シロ、大樹とで天界に向かい、

主に会った。

天界にはそれまで、誰も居なかったはずが、

一時休戦のように、天使や霊が戻ってる。

主の居る場所に行くと、主は笑みを浮かべ、

(良くいらっしゃいました。)

今までは、黄泉の国の者が、

天界に入ると、天使や神使い、霊はそれを阻止してた。

でも、共に戦った事で阻止しようとする者はおらんようになってた。

「兄ちゃん、俺ら・・・。」

主が俺たちが何故来たか解ってた。

(この世に戻ったものの、何をすれば良いのか・・・、
でしょうか。)

俺たちは頷いた。

(丁度良い方がお見えになられています。)

建物の入り口から入って来たのは大日如来。

「大日如来様。」

弥勒は驚いて頭を深く下げる。

「大日如来がなんでここに?。」

俺の質問に主は笑んで、

(お前たちが来る事が解っていたからです。
その前に・・・カン、我が妹よ。)

主は俺を抱きしめた。

伝わる感情は、切なく哀しいもので、

きっと、サタンで死を決断した俺に、

自分と重なったんやと思う。

主は俺の次に大樹を抱きしめた。

「え、。」

大樹は目を見開いて固まっとる。

(妹を失った悲しみを数分とはいえ、
持たせてしまった事を深く詫びます。)

「い、いえ!大丈夫です!。」

その大樹の返事に、どこが大丈夫やってんと思いつつ、

大日如来の目配せで、俺達は白い床に腰かけた。

(質問を先に聞いた方が良いか?。)

「・・・質問なんか、どうすんのしかないからえぇよ。」

(天界の神、主、そして黄泉の国の神々と、
この先の動きを決断しました。
宇宙の神の侵略は止める事は出来ぬ。
しかし、それを最小限に食い止める事は出来る。
我々、天界、黄泉の国の者は、
宇宙の神との聖戦に挑みます。)

「せ、聖戦て・・・。」

俺の言葉に続いて、弥勒が口を挟んだ。

「戦ですか?。
聖戦とは本来は闇の者との、。」

(それは過去の歴史での聖戦の意。
本来の正しき事への戦いは聖戦。
人間は聖戦の意味をあまり把握出来ておらぬが。)

シロが言う。

「宇宙の神と霊的な我々とが戦えるものなのですか?。」

(宇宙の神もエネルギー的存在。
実際に来る宇宙の者は言わば神の信仰者。
お告げを聞き、それに従う者達でしかない。)

大樹が言う。

「そうか・・・人間の宗教の争いと根本は同じ。」

大日如来は頷いた。

「で、みんながそれをするんは先の話で、
みんな、それに向かって鍛えるんやろうけど、
人間の俺らはどないしたらえぇの?。」

主が口を開く。

(お前たちはそれまでに、人々と地球を救う手助けをするのです。)

「手助けて・・・闇の者相手でも、もうないやろ。」

(そう。人間で救われる者はカン、
そなたにかかっている。)

「・・・意味が解らん。」

意味が解らんやのうて、理解したない。

(お前の言葉を信じ、
始まりと終わりの地に訪れた者は神の加護に守られる。)

大樹は言う。

「それって、主が亡くなられたイスラエルの聖地ですか?。」

大日は頷いた。

シロは顔を顰め、

「ならば、その地に行った者だけが救われると言うのですか?
行けない者は死しかないと言うのですか?。」

「行きたくても行けない人はどうなるんです?!
この世は金がなくては行きたくても行くことが出来ない!。」

大樹が叫んだ。

(肉体が行くのでない。
心から信じ、心がその場所に行く。
その術をカンと大樹、そなたらが皆に教えるのだ。)

「そ、その術て・・・。」

(カンよ、その為にお前は世の中に発信出来る仕事についているのだ。
大樹は頭の良い蛇。
頭のおかしい者に見られようと、
お前の言葉を聞き、それを信じる者がいる。
その者を導くのがお前と大樹のこれからの役目。
シロ、そなたは三輪の山に戻り、
地球を守らねばならぬ。)

「我が・・・守る?。」

(そうです。大地を強くしなさい。
どの様な攻撃にあおうとも、
表面だけで済むようにするのです。
弥勒、お前はお前の救済という役目が来るまで、
我らと共に聖戦に参加するのです。)

俺達にとって、明確な指示が初めて出た。

せやけど、その指示は事が大きすぎるのと、

指示が出ただけで、

細かいやり方は毎度の通り自分たちで見つけろっちゅー話や。

シロは三輪に行って、

答えらしきものは掴んだけど、

それが答えやったら、

いくら神の命令で自分がせなアカン事でも、

命を奪えっちゅーんか?

土に死体を埋める作業せぇってか?

ってな話になってしまう。

その答えが間違ってて、

違うやり方があるって信じたい気持ちで、

シロは大神の元に向かった。

俺と大樹は・・・、。













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